スカイレストラン 作曲が「荒井由実」でないその魅力

知る人ぞ知る、昭和の名アルバム『色彩の主人公』

現在も一線級の歌唱力を保ち続ける「岩崎良美」さんの、カバー曲を中心とした作品集です

 

その2曲目にこの『スカイレストラン』が収録されていました

また一つ昭和の名曲に出会ってしまったのです

 

スカイレストラン 岩崎良美・歌唱

作詞:荒井由実 作曲:村井邦彦

 

「岩崎良美」さんの声は、どこか「八神純子」さんに似ています

高音部分は特にそうで、曲調や雰囲気からも八神さんの作品だと、当初は信じていたのでした

 

イントロも演奏も極めてシンプルです

特に1番はアカペラに近く、じっくりと聴かせてくれます

「岩崎良美」さんの超絶的な歌唱力を持って、艶のある歌声により、切なさがひしひしと伝わってくるのでした

【女性A】

二人して 食事に来たけど

誘われた わけはきかない

ぼんやりと夕暮れの街明かりを眺めながら、彼女の想いはずっと変わらずただ一つです

今までも、そしてこれからも・・・

 

なつかしい 電話の声に

出がけには 髪を洗った

これが最後と分かっていても、綺麗な自分でいたい

「中島みゆき」作詞の『化粧』という歌がオーバーラップしてしまいます(”せめて今夜だけでも、きれいになりたい”)

 

無理だとわかっていても、どうにもならないこの気持ち

素敵な旋律に乗って、抑えきれない心の叫びが歌声に乗り移っているようです

 

この店で さよならすること

わかって いたのに

彼を見る瞳は伏し目がちで、あきらめきれない切ない思いが「スカイレストラン」に残り続けるのでした

 

とても難しいこの曲を「岩崎良美」さんの恐ろしいほどの表現力で、オリジナルな世界へと昇華させています

 

スカイレストラン ハイ・ファイ・セット(山本潤子・歌唱)

作詞:荒井由実 作曲:村井邦彦 編曲:松任谷正隆

 

こちらが本家、1975年の作品です

当時は、百恵ちゃん等、歌謡曲に夢中だったので、『フィーリング』がヒットするまで「ハイ・ファイ・セット」のお名前さえ知りませんでした

 

先ほどの「岩崎良美」バージョンとは当たり前ですが違います

ここからは、かなりの偏見を述べます

 

特に2番に入ると、登場する女性自身が別人に変わっていたのでした

 

【女性B】

もしここに 彼女が来たって

席を立つ つもりはないわ

良美さんが表現する女性の世界観では、こうは言わない気がします

 

【女性A】の場合は、こんなイメージでしょうか

「勇気を出して、何とか席を立たずにこのまま居たい・・・」

「もし叶うことなら、これからもずっと愛し続けていたい・・・」

 

誰よりも あなたのことは

知っている わたしでいたい

【女性B】は、少しだけ大人です

男に矜持というものがあるように、女の意地も素敵な気がします

 

今だけは 彼女を忘れて

わたしを 見つめて

 

今までの人生経験で彼女は知っていました

人の気持はもう二度と取り返すことは出来ないことを…

新たな「明日」に旅立つためにも、納得のいく「今」を生きる

自分自身を貫き通すためにも…

 

「ハイ・ファイ・セット」が歌う『スカイレストラン』はテンポもよく、さらりと流れます

そして、流れをさえぎる岩の間に、深い悲しみ、彼への切ない想いが残り続けている気がします

 

”今だけは”

この言葉に【女性B】の心情がこめられ、胸に刺さります

「山本潤子」さんの澄み渡る歌声は、曲に心地よく身をゆだねているかのようで、私の心を救ってくれました

 

村井邦彦 (作曲家・音楽プロデューサー)

 

自身がプロデューサーとなり、それまでポップス曲を提供する裏方としての作家活動を主体としていた荒井由実(婚姻後「松任谷由実」)をシンガーソングライターとしてデビューさせた (ウィキペディアより)

 

こんな素敵な曲を作られた人は、どんな方なのか検索したところ、思ってた以上に凄い人でした

当初「荒井由実」さんが、作詞だけという『スカイレストラン』に少し違和感がありました

 

先に触れたように、「八神純子」さんと「ユーミン」の世界を兼ね備えた作品のような気がしていました

 

彼女らに影響された作品ではなかったのでした

時系列が逆だったのです

 

「村井邦彦」という偉大な作曲家が、あらゆるシンガーソングライターに影響を及ぼしているのです

 

最後に、「荒井由実」さんの作詞力と、歌唱された「ハイ・ファイ・セット」さん・「岩崎良美」さんに、そして【女性A】&【女性B】さんにたくさんの感動をいただき、心より感謝申し上げます。

 

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