研ナオコベスト盤 不適切にもほどがある?名曲たち パート①

アルバム『研ナオコベスト・コレクション32』 パート①

 

少し大げさな話をします

このアルバムは、「研ナオコ」さんのベストアルバムの域を超えており、昭和ソング全体の「ザ・ベスト」と確信しました

ここに収められている32曲、約二時間は人間模様に嘆き悲しみ、各アーティストに感激し、昭和の名曲たちにひれ伏すのでした

 

オリジナル編

第一期 愚図・一年草

1975~76年、「阿木燿子」&「宇崎竜童」により、一気にメジャー歌手として花開きます

『一年草』は知らない方も多いでしょうが、かなりの傑作だと思っています

 

第二期 カンバック

「研ナオコ」さん、ほんの少し不適切な生活により、半年間の謹慎を余儀なくされます

1978年、『かもめはかもめ』の復活大ヒットにより、彼女の激動の失恋ソングはこれを機に頂点へと登りつめます

当時、話題をさらった「黒い涙」で私の心の中は、すべてを水に流し白く晴れ渡りました

『かもめはかもめ』という作品には、あらゆるものを吹き飛ばすパワーと壮大さがあったような気がします

 

この年、『窓ガラス』『みにくいあひるの子』と続く「中島みゆき」さん提供作品は、怒涛のような勢いで次々と「主人公」を貶(おとし)めます

しかし、昭和な私はこの二作品に、ノスタルジックな想いとともに大いなる敬愛を感じてやみません

 

窓ガラス 1978年7月

作詞・作曲:中島みゆき 編曲:クニ河内

 

演奏は、バックバンドを務めていた「アルフィー」(THE ALFEE)です

クリアーに響き渡るギターサウンドは、イントロから悲しい悲劇の始まりを見事に演出します

 

つまらない女でと つらそうに話す

彼女は、彼の友達から「彼の彼女へのさめた気持ち」を聞かされます

”すまなそうに” そして ”つらそうに”

 

そんな友人も、ついつい”気を抜いてしゃべりすぎます”

”知らないでいいことを教えすぎる”

 

こんな言葉の一つ一つに「中島みゆき」さんの素敵な感性を感じます

 

あたしとすれ違うと 不愉快になると

不適切というよりも不謹慎でしょう

 

言った彼も相当ですが、それをわざわざ本人に告げるその友人

振り返ってみると、昭和の男は女性に厳しすぎたようにも思います

偉大なる昭和は、懐かしさで「想い出補正」され、ともすると過大に評価してしまいます

あの時代、いいことばかりではありません

厳しい現実もたくさんあったのでした

 

ふられても 仕方ないけど

そんなに嫌わなくて いいじゃないの

 

彼女は、あたかも外の雨雲を気にするように窓ガラスに頬を寄せ、”涙をとめます”

「窓ガラス」は唯一の逃げ場所であり、優しい理解者だったのでした

 

みにくいアヒルの子

作詞・作曲:中島みゆき 編曲:クニ河内

 

冗談だよ 本気で 言うはずないじゃないか

鏡をみろよと 言われるのがおち

かなり不適切です

たぶん、アウトでしょう

当時の昭和人たちは許せても、令和の世間や教育委員会は許さないでしょう

 

サビを最初に持ってくる、この手法はインパクトがありました

 

不適切な罵倒は続きます

ある男は言います

”「世の中にはいくらでもきれいな子をいるというのに」”

わざわざ こいつを 連れてきたのはだれだ

ひどい言い草です

いくら時代とはいえ、口に出してはいけない言葉です

 

でも、彼女が一番傷つくのはこの言葉ではなかったのでした

あの人は 俺じゃないよと

顔をそむけた

男の狡さを否応なしに感じます

 

そんな場面を目の当たりにした彼女

”おどけて”こう言うしかありません

愛してます 愛してます

なお人は笑う

かなりキツイ話です

書いていて、ついつい涙が出そうになりました(実際、ちょっぴり泣きました)

 

このような世界観は、現在では到底許されません

今はやりのドラマ『不適切にもほどがある!』って感じでしょうか

 

しかし厳しい昭和は反面、人を強くしたのかもしれません

令和では、精神がやんで立ち直れないほどの状況です

 

当時は、この彼女のように笑ってごまかすことのできる胆力を持った、素敵な女性がたくさんいたような気がします(たぶん、これも不適切な表現になるのでしょうが…)

そんな彼女たちを愛してやまない自分がいるのでした

 

なお、ここまで虐(しいた)げられた彼女ですが、「クニ河内」さんの、素晴らしい編曲により、大いに救われます

 

第三期 いい女たちを歌う

 

六本木レイン

作曲 吉田拓郎 ・作詞 売野雅勇 1985年

「吉田拓郎」さんの軽快なリズムに乗りながらも、心とは裏腹に「いい女」を演じ続けます

”哀しい嘘”を続けながらも…

 

『Tokyo見返り美人』

作詞:阿木燿子 作曲:宇崎竜童 1985年

 

あいつ 追いかけて来ない

いかれポンチな野郎さ

『愚図』の作詞から10年の時を経ちました

「阿木燿子」さんはこんな詩を研さんに提供したのです

買ってやったスーツを着て・・・

でかい口 きくなんて そんなのアリかよ

ここで歌われている彼女はもう、”愚図なおばかさん””ではありません

 

この二つの作品には「いい女」という歌詞が何度か出てきます

『かもめはかもめ』で黒い涙を流した、あの「研ナオコ」さんの姿はありません

 

当時の映像は見当たりませんが、私ははっきりとこのころの感想を覚えています

「アレ?」

「中島みゆき」を歌っていた時と何か違う!

「普通に、綺麗な人だったんだなぁ」と・・・

 

70年代の私は身も心も幼く、また女性を見る目も持ち合わせていなかったのです

今なら確信をもって言えます

「研ナオコ」さんはまさに『Tokyo見返り美人』だということを…

 

 

予想以上にだらだらと長くなりました

アルバム『研ナオコベスト・コレクション32』の【日本の名曲カバー編】は、次回でご紹介します

 

 

P.S. ドラマ『不適切にもほどがある!』

毎回楽しみに見ており、「昭和&令和」を心地よく味わっています

 

第8話での挿入歌『3年目の四月バカ』

浮気されたら〇んでやるって

パッパッパヤッパ

令和の名曲です

うまくハモッているところも聞き逃せない!

 

研ナオコ 『愚図 』『一年草』 「かもめはかもめ」ナオコはナオコ、何十年経っても変わりません

昭和曲 特集編
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