悲報
人は突然の悲しみにどのように対応しているのだろうか?
姉がすい臓がんらしいと、本人からの電話があって…わずか4か月
年金が少ないと将来を心配し、繰り下げながら頑張って生きてきたのに…
落ち着いた老後が、もうすぐ過ごせるはずだったのに・・・・
胸に しみる空のかがやき
あの突然の悲報から2ヶ月が過ぎました
やるせない痛みは今も心にしみたままです
あるきっかけで以前に買った「加藤和彦」さんの作品を集めたCDを、戸棚の奥に見つけ出しました
かれこれ7年ぐらい乗っていたN-BOXにCDが聞ける機能があることを発見したからです(なんとテレビも映りました)
今日も遠くながめ 涙をながす
やっとこんな悲しい曲でも聞くことができるようになりました
2枚組CD全32曲の中『悲しくてやりきれない』というこの作品は18番目に流れてきました
調べてみると、発売は1968年(昭和43年)です
悲しくて 悲しくて とてもやりきれない
当時「ピッカピカの一年生」だった私は、誰の歌とも知らず『帰って来たヨッパライ』を無邪気に歌っていた記憶はあります
けれども、この歌はよく知りません
このやるせない モヤモヤを
この曲が流れてきたとき、なぜか何年も投稿するのをやめていたこのブログを再開したくなりました
だれかに 告げようか
この作品を、どうしても沢山の方々に聞いてほしくなったのです
ただ無性に、自分の悲しみを誰かに告げたいだけだったのかもしれません
加藤和彦
このベストCDをまだ18曲までしか聞いていませんが、彼の旋律はとにかくとてつもなく優しいのです
沈んだ気持ちを、まるで綿菓子にくるまれているようにふんわりと包んでくれます
「加藤和彦」さんの作曲された中で、マイベスト2は決まっていました
『ドゥー・ユー・リメンバー・ミー』(岡崎友紀)
『愛・おぼえていますか』 (飯島真理)
そしてこのたび、この作品が加わりました
立ち直り
お忙しい方は、この3作品の最初の10秒だけでもお願いします
聞いてみて下さい
出だしの包まれるような暖かさは、果てしないぬくもりと安心感を授けてくれます
特に最初にご紹介した ”胸に~” のフレーズだけで、すべての感情が救われました
「あな~たに~」『ドゥー・ユー・リメンバー・ミー』
「今あなたの声が聞こ~える」『愛・おぼえていますか』
これらどの旋律を思い返しても、「加藤和彦」さんは癒しの魔術師と言えます
このような作品に出合えた自分は幸せ者なのに…
少し事情があって、四十九日の法要にも参加しませんでした
私は、人がなくなってしまってから、どんなに尽くしてももう遅いと考えてしまう冷たい人間です
しかし理由はどうあれ、二人っきりの姉弟です
気持ちが落ち着いたら、お墓参りだけは行こうと思っていました
そして、その日が近づいたことを教えてくれたのが「加藤和彦 song book」との出会いだったのです
ザ・フォーク・クルセダーズ
大変失礼かつ個人的な感想なのですが、かなりのだみ声です
歌もそんなにうまくはありません
けれども、この歌い方が貴重なのかもしれません
今の自分にはこの雰囲気こそが、素直に溶け込めるのです
ギター演奏だけのシンプルなアレンジは、静かにそして少し遠慮しながら、うしろからそっと寄り添う感じも見逃せません
P.S カセットテープの思い出
姉からもらった宝物はいくつかありますが、「松山千春」さんの当時のカセットテープ
『起承転結』はとても影響を受けました
毎朝のように姉の部屋から聞こえる千春さんの声で、私は目覚めていました
「門前の小僧習わぬ経を読む」とはよく言ったもので、いつの間にか深い歌詞に感動し、大好きになっていました
先程、このテープを借りたと言いましたが、正直に言うとカリパクです
同じく姉ちゃんに借り続けたスプリンターのお礼も言えてません
「千春」ファンになったのはお姉ちゃんのせいだと、感謝をこめて伝えたかったです
何一つ返せないダメな弟で本当にごめんなさい
お姉ちゃん、「あの素晴らしい愛をもう一度」
などと、もう甘えることもできませんね
最後の歌詞です
悲しくて 悲しくて とてもやりきれない
このもえたぎる 苦しさは 明日もつづくのか
今日、初めて一人旅をしてみました
ホテルの狭い部屋の鏡の前の自分は、髪は白いのにお酒で頬は燃えたぎり、なぜか目までも赤く染まっていました
了
飯島真理 『愛・おぼえていますか』 天高く突き抜ける歌声、おぼえています



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