あまりにも多くの輝かしい作品を世に送り出してくださった『筒美京平』さん
改めてたどってみると、昭和の懐かしい多くの思い出に出会うことができました
ここでは、編曲もご自分で手掛けられていた1960年代後半から1980年初頭を中心に振り返ってみたいと思います(超有名どころはあえて避けさせていただきました)
その曲調の幅広さは昭和の奇跡としか思えないのです
1960年後半(代表曲/ブルーライトヨコハマ・また逢う日まで)
1966年、『黄色いレモン』(藤浩一ほか、競作)で作曲家デビューされていました
今回初めて聞かせていただき、また一つ心の名曲が増えたことに感謝致します
「藤浩一」さんのさわやかで透き通るような高音の声がリズムカルな曲とよく似あいます
そして彼がのちの「子門真人」さんだったとは…(『およげたいやきくん』は昭和の怪物的ヒット曲で、私は今だにたい焼きを食べるたびに、素敵なそばかすを配した愛嬌あるお顔と、カラフルで派手なあのレコードジャケットを思い出さずにはいられません)
アニメ編
オープニング曲『おれは怪物くんだ』
藤子不二雄さん作詞のこの歌は、私ども年代はたいがい一番までなら歌えます
「怪物くん」を白黒テレビにかじりついてみていた私にとって、筒美先生にこの頃からお世話になっていたと思うと感慨深いこと、しきりです
それにしても、「ドカ バカ ボカ ボンッ ドカ バカ ボカ ボン…」の歌詞は意味不明でこれがまた素晴しく、改めて両巨頭の偉大さを感じます
サザエさん(オープニング)/サザエさん一家(エンディング)
言わずと知れた「日本人の永遠の郷愁アニメ」サザエさん
1969年に放送開始以来、50年以上も親しまれています
ひょっとしたら、日本人が一生で一番多く聞いた曲それがOP曲「サザエさん」ではないでしょうか
それにしても「宇野ゆう子」さんが明るく歌うこの曲ですが、なぜかバラード調にアレンジしても似合いそうな、そんな郷愁を感じるのは歳のせいかどうかは分かりませんが、素晴らしい旋律には間違いありません
そして、当時の最後のコメントが懐かしすぎました
「提供は東芝でございます」
「カラーでお送りいたします」
白黒テレビで、画面に「カラー」表示を目にしたときの何とも言えない悔しささえも、今思えば貴重な体験だったのかもしれません。
1970年代前
世の中が、少しづつ豊かになり、いわゆる「ボーリングブーム」が訪れました
な・か・や・ま「律子」さん!
を代表とし、当時のボーリング界にはプロが多くおられました
TBS系ドラマ『美しきチャレンジャー』主題歌
美人プロボーラー演じる「新藤恵美」さん、お歌も大変素敵でございました
ウルトラセブンで有名なモロボシ隊員「森次浩司」さんのコーチ指導のもと、最後はアメリカ遠征に旅立ちます
ドームに とどろくピンの音 私は投げる 力いっぱい
「岩谷時子」さんの力強い作詞に乗って、スタートから曲が羽ばたいていく感じが印象的です
当時はやった《スポ根》ドラマと言えるかもしれませんが、曲調はあくまでも緩やかで清々(すがすが)しく、どこまでも気持ちよく伸びていく感じが大変好きでした(主演の新藤恵美さんは光り輝き、9歳の男の子にとっては、妙なドキドキ感も忘れられません)
私は忘れない 岡崎友紀
70年代初頭の王道的な曲です
アイドル感、歌謡曲性、アレンジの潔さ
すべてにおいて、完璧です
「筒美京平」さんは当初から「橋本淳」さんとのスーパーコンビにより、たくさんの傑作を世に送り出されました
北国の 青空に さよならを告げるのが つらいは
イントロからこの歌詞をゆっくりと語り掛ける歌い方、曲の構成
昭和歌謡の原点がここにありました
アイドルとしても先駆けである「岡崎友紀」さん
のびやかに歌われた「橋本淳」さんの世界は今聞いても元気をたくさんもらえます
そして数々のアイドル歌謡は、私の青春と一体となって共に歩んでくださったのでした
「筒美京平」さん
『私・は・忘・れ・な・い』
70年代後半
たそがれマイ・ラブ 大橋純子
昭和の怪物「阿久悠」さんと『また逢う日まで』の大ヒット以来、お互いに競い合いそして磨き合った中から生まれた(勝手な解釈ですが…)作品、外せない一曲だと確信しています
今は夏 そばに あなたの匂い
イントロに代表される素晴らしい編曲
「阿久悠」さんの研ぎ澄まされた、始まりのこの言葉
「大橋純子」さんの永遠に聴いていたい超絶な歌唱力とビブラート
それらすべての力、この偉大なる三つの武器を携えてこの曲は始まります
低く、哀しく、そして少しのアンニュイさを含んだ至高の音の運びは、サビに向けて力を蓄えながら最高の盛り上がりを私たちに体験させてくれるのです
さだめという いたずらに ひきさかれそうな この愛
最後のこのフレーズは予想不可能な旋律を駆使(くし)し、渾身(こんしん)の一撃を放ちます
この曲に出逢えた喜び、感動しか残りません
筒美京平
作曲家の年間レコード売り上げでは、常にベスト3にランクインされています(第1位がほとんどです)
常連の「平尾昌晃」さんや「都倉俊一」さんはお顔をよく存じていますが、「筒美京平」さんについては、ご活躍の割に私を含めあまり知られていない気がします
あえて表舞台には姿を見せない、そんなお人柄にもまた惹かれてしまいます
多くのヒット曲を作曲されただけでなく、70年代の作品においては、ほぼすべてにおいて編曲も手掛けられていました
一作曲家に収まらない、偉大なるアレンジャーでもあったのだと、改めて感じています
特に「南沙織」さんの作品は、数々手掛けておられ、そのアレンジの秀逸さは特筆するものばかりで、生涯において聴き続けていたいと思います
また曲のジャンルも幅広く、『愛し続けるボレロ』は隠れた名曲であり、歌手「五木ひろし」さんの生涯における代表曲として位置づけられると、私自身信じて疑いません
アニメ・ドラマ・歌謡曲・演歌・・・
90年代、2000年代、そしてほんのつい先ほどに至るまで、ニュージャンルを含め作品を発表され続けておられました
わが人生に「音楽」という深みを添えていただき感謝の念しかございません
あなたの作品を心の友として生きていける幸せをかみしめていきたいと思います。
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P.S.
ボレロ
先ほども少しふれましたが、『愛し続けるボレロ』(作詞:阿久悠/作曲:筒美京平/編曲:船山基紀)
1982年に発売されていますが、ボレロの意味が分かりません
トップス の一つ。日本では主として女性向けの衣類として着用される。 形状や素材はジャケットやカーディガンと同様で、丈がウエストよりも短く、前立てや打ち合わせがなく前が開いているものの総称。 (ウィキペディア)
ボレロ(bolero)は「舞曲」という意味でも使われ、ラヴェルの「ボレロ」は有名です
クラシック音楽をあまり知らない私ですが、この管弦楽曲は痺(しび)れます
そして話を戻すと『愛し続けるボレロ』のボレロ
揺れる女の 心の奥底は 愛してづける ボレロだけ
ボレロとは?
う~ん、私には天才「阿久悠」さんの想いなど分かるはずもありません(ひょっとして、映画好きの阿久さんのことだから、アメリカ映画「ボレロ」から?などと想像してしてみたが、上映時期が1984年でした)
『愛し続けるボレロ』と『ボレロ』
ただ一つ言えるのは、私が愛し続けるのは「阿久悠」さん「ラヴェル」そして「筒美京平」さん・・・
だけにとどまらず、多感な時期を共に過ごした昭和の音楽をただひたすらに「愛し続けたい」のかもしれません。
了
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