九月のイメージも、これほどまでに変わるものとは思ってもいなかった、昭和のあの頃
残暑どころか、日々熱帯気候に突き進んでいる気がいたします
「暑さ寒さも彼岸まで」なんて言葉もなくなりつつある今、この「九月の雨」を聞いていると、冷たくもほんのり心地よかった雨音がしのばれます
まるで、ショパンの調べとともに・・・
最後のこのフレーズの意味はよく分かりませんが、なんとなくノリで加えてみました
とにかくこの作品、『SEPTEMBER』と共に名曲で、九月になると必ずラジオから流れるのが、昭和の風物詩だったのでした
九月の雨 1977年(昭和52年)
作詞:松本隆/作曲・編曲:筒美京平
デビュー曲『雨だれ』以来のゴールデンコンビの最終傑作と言えるでしょう
イントロからして、かなり力が入っています
横なぐりの雨を思い描かせるように、ピアノの音が降りしきるかのように、幕は開きます
車の ワイパー 透かして 見てた
都会に うず巻く イルミネーション
50年以上も前から基本的な機能は変わっていない「車のワイパー」、出自の誉(ほま)れを感じます(毎年6月6日はワイパーの日であるらしく、なんとなくほほえましいです)
そんな「ワイパー」同様、素材の良さは永遠に不滅であることを証明するように、昭和歌謡の神様「筒美京平」先生の旋律に酔いしれます
70年代にして、言葉一つ一つに時代を先取りしたオシャレな歌詞が取り入れられており、否が応でも盛り上がるのです
「イルミネーション」
この時代にこんな言葉があったのでしょうか
クリスマスの電飾(イルミネーション)さえ見たこともない田舎育ちの私には、この雰囲気に都会の匂いを感じ、感電したごとくしびれるのでした
くちびる 噛みしめ タクシーの 中で
あなたの 住所を ポツリと 告げた
ドラマです
90年代のあのトレンディドラマを15年早く先取りしています
September rain rain 九月の雨は 冷たくて
ここでやっと前書きのくだりにつながります
「冷たい雨」です?
「荒井由実」です??
「ハイファイセット」も歌った、悲しい物語なのです???
”・・・あなたの靴と誰かの赤い靴…” には、現実的なビジュアルがイメージされ、印象に残る歌詞でした
話がますますそれて行きますが、『赤いハイヒール』も大好きな曲なので「太田裕美」作品の中でも外せません
『九月の雨』に戻ります
ここからの転調が「筒美京平」愛の源泉とも言えます
愛はこんなに辛いものなら
私一人で生きていけない
この畳みかけるようなリズム、出会えた喜びを何に例えてよいのでしょう
初恋の人と偶然街で出会い、その微笑みがあまりにも自然だったそのひと時…みたいな・・・
この充足感なくして、生きていけません
ありがとうございます「筒美京平」先生、同じ時代に生きれたことに深く感謝いたします
そして、「松本隆」先生は、ラストの「冷たい雨」に希望の光を与えてくださいました
愛が昨日(きのう)を消していくなら
わたし明日(あした)に歩いていくだけ
「太田裕美」さんのピュアな声は響きます
September rain rain 九月の雨は 優しくて
こんなにも癒される優しい声を他に知りません
癒しの女神、ファルセットの女王様「太田裕美」さんの世界にいったん入りそこから抜けることは容易ではありません
九月はもうすぐそこです
夏休みの宿題におののき、絶望感しか残らなかった学生時代も今は昔
令和のこの暑さを、昭和の歌声がほんの少しだけ和らげてくれた八月末日なのでした。
今では季節感も持ち合わすことなく、ただただぼんやりと過ごしている私に、九月の雨は優しく降り注いでくれるのでしょうか・・・
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P.S.
『SEPTEMBER』
解きかけてる 愛の結び目 涙が 木の葉になる
作詞は同じ「松本隆」さん、さすがとしか言いようがありません
めぐる季節の 色とりどりの中 一番淋しい月
明日からの生活において、さみしい暮らしが訪れないことを願うばかりです
九月は英語で【September】
「竹内まりや」さんのお陰で一番に覚えることができました
難しいのが二月の【February】
読み方もスペルも、一年の中では最高の難易度といえます
日数もこの月だけ短く、またうるう年が絡んだりと、かなりの曲者です
3月を初月と位置づけていた最初期のローマ歴が関係しているのかもしれません
【June】(6月)【July】(7月)もややこしいですが、【March】(3月)と【May】(5月)はいつもこんがらがります
「マッチのマーチ」と「メイ・ジェイ」に関連付けて覚えることをお勧めいたします
Octoberは「8番目の月」ということで、ラテン語の octo から。ふた月ズレが生じて10月を指すことに。
「8」「octo」で連想する英語といえば octopus(タコ)ですが、オクトパスは「octo」(8)+ pus(足)で「8本足」という、けっこう安直なネーミングです。(Weblio英会話コラムより)
興味深い解説だったので、追記させていただきました
了
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