『メモリーグラス』 堀江淳 哀愁の歌謡曲 昭和のCD全10巻 1-12 

 

食べ物の好き嫌いの多かった私は、ご飯には「アラ!」と決まっていました

たまに松茸風味には浮気すれども「ごはんですよ!」は、何か派手な異文化の香りがして受け入れることができなかったのです

 

アラカン

 

「アラサー」(around thirty)という言語が世に出て、20年近くがたちました

聞きなれない頃は、ブンセンの佃煮「アラ!」の新商品か何か?・・・

などとは思いませんでしたが、素敵な造語の誕生だとは感じていました

 

言葉は進化を続け「アラカン」へと派生していきます

「アラカン」と言っても、「嵐勘十郎」さまのことをここで触れる予定はありません(念のため)

「アラウンド還暦」、60歳周辺の方を指します

 

「アラカン」からもそろそろ追い出されそうな私は、次なるステージ「アラセブ」?への準備を整えたほうがいいのでしょう

 

「堀江淳」さんは還暦を過ぎてもなお、あの高くて済み切ったお声を維持されながらご活躍されています

1960年生まれ、「アラカン」の範囲にギリ残られ、「アラ!」の生誕時期とほぼ同じなのも興味深いです

当時から中性的な雰囲気はありましたが、どこか昔ながらの「和風な味わい」を感じてなりません

 

水割りをください

 

いろんな道をゆらめきながら、幅広い年齢層から支持されている歌、それが『メモリーグラス』

作詞・作曲:堀江淳 編曲:船山基紀

 

ゆらり 揺らめいて

そうよあたしは ダンシングドール

 

「私」ではなく「あたし」

この歌詞の内容にぴったりとはまり、本来のカジュアルで幼い印象を与えるというより「大人の女性の哀愁感」を導き出し、その効果は全体に渡り十分に浸透していきます

 

あいつなんか あいつなんか あいつなんか

飲みほしてやるわ

 

憎むことさえできない「あいつ」

「あいつなんか」を3回繰り返すことにより、隠し通したい未練を無理にでも断ち切ろうと自分に言い聞かせるのです

 

「働いて」「働いて」「働いて」「働いて」「働いて」・・・

「高市総理」も同じ手法で、今後の方針、言い換えれば一人の女性としての生きざまを宣言しています

今までの悪習をきれいさっぱりと飲みほしてくださいました

 

 

ねぇ… その歌をかけるのは やめてよ

彼女の最後の願いです

そしてこの言い回し・理由がとてもオシャレです

グラスの中 薄くなるから・・・

陳腐な歌で、あの大切な思い出を汚したくはなかったのかもしれません

 

「あいつなんか」に対しての彼女の様々な擬人化した表現に、この歌の最大の魅力を感じます

”飲みほしてやるわ” ”ただの通り雨”

真剣な愛だったからこそ、忘れらない人ゆえに、いろんな風に強がってはみせます

 

けれども結局はこの言葉に戻ってきます

水割りを ください

 

「堀江淳」さんのブログのタイトルは「”お湯割りを下さい”」とのこと

 

水割りはあまり好きではないらしく、そんな飾らない彼だからこそ、今でも多くのファンに支持され続けておられるのでしょう

 

編曲家「船山基紀」

 

今回第一作収録のCD「哀愁の歌謡曲」には「船山基紀」さんのお名前をよく目にします

中でもこの作品においても、彼のアレンジは冴えわたります

 

大事な人を失った哀しい歌にも関わらず、湿っぽさを微塵も感じさせません

カラオケだけを聴いていると、不似合いなほどに「わくわく感」で盛り上がってしまいます

今抱えている悩みなんて、吹き飛んでいました

このイントロ、このアレンジが聞きたくて何度も何度も『メモリーグラス』を訪れてしまいます

 

そしてもう一つ、忘れられない『メモリーグラス』が私にはあります

 

珠玉のものまね芸 「レッツゴーよしまさ」

 

たくさんの歌手の方が『メモリーグラス』をカバーされ、また「物まね」もされていました

 

今、人生に悩んでいる方がおられましたら、「レッツゴーよしまさ」さんのYouTube動画を見て下さい

サムネだけで悩みは吹っ飛び、実際に動画を見終わると世の中が変わります

 

そして私は、次の3つを学びました

「自分の知らない世界はまだまだ無限」

「芸術に触れることの大切さ」

「お笑いは人類を救う」

 

「レッツゴーよしまさ」さんは、見た目物まねもとても優秀で、貴方の張りつめた心を瞬時に溶かしてくれるでしょう

 

そして必ずセットで見てほしいのが「森本英世」演じる『よせばいいのに』です

「堀江淳」さんの垂れた眉毛もいい感じに仕上がっています…が

でもそれはまだ序の口だったことに気づきます

 

森本さんの視線、そして何よりその口の動きは、何度見ても最高の芸術品

「生きていてよかった」と心から思えるような、衝撃的な出来事だったのでした

 

さらに「たかじん」さんの物まねで、あの鼻を見たとき…

そして、マイクが「味の素」だったと気づいたときは「よせばいいのに」…

 

なんて一切思いませんでした

感じたことはただ一つ、この人私『やっぱ好きやねん』!

 

 

敏いとうとパッピー&ブルー 『よせばいのに』 歌手の入れ代わりはあるが、やはり「森本英世」さま

コメント

タイトルとURLをコピーしました