「蒲田法子」さんは、事務所の社長から卒業後に東京へ来るように言われていたようですが、3月の卒業を待つことなく高校を中退し、7月には歌手デビューのため福岡から単身上京していました(この幼き彼女の決断力に今更ながらホレボレします)
そしてドラマ出演が決まった彼女は「松田聖子」の芸名のままドラマを演じたいことを希望します(思っていることは、臆することなく主張します)
そして相手役「太川陽介」さんとファースト〇スをすることとなりました(後悔はありません、たぶん…)
このドラマを見ていた私は、病室の一場面で「聖子」ちゃんと呼ばれていた彼女に、かすかな記憶があります(あどけなさと、少しのダイコン具合が今でも思い出され、懐かしさで胸が締め付けられます)
その後歌手デビューして、徐々に売れていく姿は嬉しくもあり、何故か誇らしくもあったのでした
デビュー当初から『青い珊瑚礁』がヒットするぐらいまでは、「赤抜けない」とも言われ続けていた彼女
しかし、田舎から都会へ出てきたばかりの私の目には、とても光り輝いていた存在だったのです
時代は、当時のトップアイドルであった「山口百恵」さんが引退した年でもあります
1980年は、まるでアイドルの道を託されていたかのように「松田聖子」と共に幕を開けていくのでした
裸足の季節 1980年(昭和55年)
未知なる原石 松田聖子
「エクボ」の出ない彼女は、資生堂CMオーディションに落ちてしまいます
しかしそのことが逆にこの歌でのCM採用となり、彼女をスターへと押し上げていくこととなったのでした
作詞:三浦徳子(みうらよしこ)/作曲:小田裕一郎/編曲:信田かずお
白いヨットの影 渚をすべり 入江に近づくの 手を振るあなた
かなり低い音にもきっちり対応していました
CMでの、恐ろしく高音が伸びるイメージの「松田聖子」さんでしたが、いま改めて聴いてみると基本エンジンの底知れない感に圧倒されます
えくぼの 秘密あげたいわ もぎたての 青い空
このサビの部分を採用した資〇堂の「エクボ洗顔フォーム」
どこまでものびやかに透き通った歌声は、強烈なインパクトをもって世間をざわつかせます
CM出演には同じく新人タレントの「山田由紀子」さんが抜擢(ばってき)されており、この時点では圧倒的に山田さんのほうが人気があったようです(”二人のサイン会では、あまり聖子ちゃんの前に並ばなかったようで、くやしい思いをされたみたいです/ウィキペディア”)
「夜のヒットスタジオ」の初出演動画が残っていました
あどけなさが残る受け答えと、歌い出してからの堂々とした振舞い
2年ほど前のYouTubeへの私のコメントが残っていました
何度も見直してしまう、とにかく惹きつけられる、オリジナルではと疑ってしまう、コメントも珍しく全部読みたくなる、すべてにおいて凄いとしか言えない。 ちなみにダン池田の演奏もこれまた意外といい、ドリフの時は手を抜いてたか!
そこには、まさに頬を染め『もぎたての「松田聖子」』さんが、新しい道へと走り出していたのでした
ほぼ初披露に違いない状況での、しかも生歌でのあのパフォーマンスです
可愛さに見とれていた私は、彼女にみつめられ、あの時から何かを持っていかれてしまったのです
目の前のとてつもない原石に、歌謡界の宝石が埋もれていようとは・・・
当時の私は、岩の表面にある苔の色合いさえ、はっきりと見ることはできていませんでした
ほほを 染めて 今 走り出す わたし
二人ひとつの シルエット
18歳の少女は軽い緊張感を秘めつつ、終始笑顔で歌いきります
2番までのコーラス2分30秒に「今までの努力」と「無の心境」と「これから」を力の限りぶつけます
その内容は「オリジナル」盤を軽々と超えており、何度も何度も見返したくなるのでした
「威風堂々」と最後のあどけなさを宿す「カメラ目線」
この相いれない交わりの心地よさ
すっかりオジサンとなってしまった私は、「よく頑張ったね」と涙をにじませながら一人つぶやいていました
松田聖子を支えて
『裸足の季節』『青い珊瑚礁』『風は秋色/Eighteen』『チェリーブラッサム』『夏の扉』
デビューから5作、作詞家「三浦徳子」さんの、はつらつとした勢いあるこの詩が、聖子ちゃんのイメージにピッタリとはまり、その貢献度は計り知れません
また作曲者「小田裕一郎」さんが2曲目にはなった「青い珊瑚礁」
出だしでののびやかな音階を使った曲調で、「松田聖子」を全国区に押し上げた功績は言うまでもありません
ちなみに「ダン池田とニューブリード」の生演奏もゾクゾクするほど素晴らしく、ノリノリで指揮しておられる「ダン池田」様には、尊敬と感謝の念しかございません
ユーチューブでの失礼なコメントをお詫びするとともに、謹んでお悔やみ申し上げます
伝説のテレビ番組とその人「松田聖子」
二度目(たぶん)にテレビの前に登場したのが「ザ・ベストテン」がでのスポットライトコーナーです
生まれながらに、有り余るほどの才能を持った「イチロー」さんが努力の人でもあるように、頂点に立つ人は違います
「夜ヒット」初登場以来2か月余りでの「ザ・ベストテン」
1980年7月3日、彼女は白い衣装に合わせた白い花柄のイヤリングを付け、短期間での驚くべき進化を遂(と)げていました
そうです
垢抜けないといわれていたイメージを一新
可愛い耳を少しのぞかせたあの伝説の「聖子ちゃんカット」が晴れてここに降臨されました
そして「ザ・ベストテン」第8位で初ランクイン
羽田空港から生中継、全日空さん全面協力のもと聖子ちゃんは、一番最初におりてきて『青い珊瑚礁』を披露します
テレビ局・羽田空港・航空会社をも巻き込み、彼女ののびやかな歌声は日本の夜空に響き渡ったのでした
この後、新たな「松田聖子伝説」は次から次へと私たちに上書きされ続けていくのでした。
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P.S.
ダイヤモンド原石
ダイヤモンド品質評価基準 において、「4C」とよく言われます
Carat(カラット=重さ/1.0ct=0.2g)
Cut(カット=輝き/ラウンドブリリアントカットが有名)
Color(カラー=色/無色が最上位)
Clarity(クラリティ=透明度/内包物やキズの有無)
これらの4つの要素で評価されることが多いようです
しかしどんなに優秀なカット職人でも、限界があります
原石の生まれた状態でその後の運命が変わります
【ソーヤブル】:宝石用として使用される原石のうち、高品質なものがソーヤブルと呼ばれています 基本的に正八面体の形をして全体の20%しか産出されない
【メイカブル】:次に位置する品質を持つ 形は不安定で、できるカットの種類に制限があります
【ニアージェム】:大きく品質においては劣る 工業用として使用されているダイヤモンドの原石の品質にとても近い
宝石・貴金属に対して何ら興味もない私には、世の女性のダイヤモンドに対する執着は到底理解できないでしょう
しかし、1980年に彗星のごとく現れた「松田聖子」さん
彼女こそ、稀(まれ)に見る世紀の大発掘
選ばれし【ソーヤブル】そのものなのではないのでしょうか
「ダイヤモンドと松田聖子は永遠の輝き」
そんな言葉を贈りたく、このブログを閉じたいと思います。
了
80年代永遠のアイドル 伊藤つかさ 『少女人形』は名曲でした
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