思い出の足し算
「初恋」の想い出に、誰しも胸が締め付けられます
締め付けられる思い出さえない私は、映画「おもひでぽろぽろ」の主人公「タエ子」と同じく、「算数が苦手」だったという嫌な「思い出」だけは、今でもぽろぽろとこぼれ出てきます
「村下孝蔵」さんのにわかファンである私は、彼のことを「ああだこうだ」と語る資格などありません
しかし、彼の作品をテーマにしたブログを書くのは、これで3回目となります
「厚かましさも3度まで」と仏様のお顔に免じて、お許し願いたいと思う次第でございます
初恋と人の寿命は不平等条約
ご存じのように、黒船の来襲に端を発し、江戸幕府はアメリカと「日米修好通商条約」を結びました
世間では、不平等条約の典型的な例とされています
江戸幕府には「鎖国」という弱みというか自己責任的な原因があったのかもしれません
46歳という若さでこの世を去った「村下孝蔵」さんは、閉鎖的なところもなく、理不尽な扱いを受ける理由など一切ございません
「夏目雅子」さん「本田美奈子」さん「西城秀樹」さん・・・
「田中好子」さんの葬儀で披露された生前のコメントは、今でも忘れることができません
皆様方の無念さは、到底察することなどできる訳がありません
対して私を例にあげると、その不合理さがより見えてきます
努力を怠り、惰眠をむさぼり、怠惰な暮らしを送ってきました
重篤な病気にかかっても、理不尽な扱いを受けても、「自己責任」という言葉がこんなにすんなりとあてはまる人間はいません
しかし、いまだに何の反省もなくのん気に暮らしていました
ちなみに姉はとても生真面目な人でしたが、突然の不治の病に襲われたのです
身近な不幸を体験して初めて実感しました
「思い出の足し算」は、とても辛く悲しい作業であることを・・・
神様は何と無慈悲な「不平等条約」を素晴らしき人たちに課したのでしょうか
ギターテクニックが衰えててもいいです
キーが下がっていてもいいです
ありあまっていた声量がたとえ続かなくなっていっても、まったくもって構いません
ロマンスグレーの「村下孝蔵」さんを、生真面目なスーツ姿のあなたを、私はずっとずっと見ていたかった・・・
五月雨(さみだれ)は日本語の美
作詞・作曲:村下孝蔵 編曲:水谷公生/コーラスアレンジ:町支寛二
五月雨は 緑色 / 夕映えは あんず色
…花びらが 水面(みなも)を乱す…
カタカナは使われません
美しい日本語は私たちの心を和ませてくれます
旧暦5月は梅雨真っただ中、そして新緑の木々の若々しい輝き
昭和の名曲『初恋』は、若き日の届かぬだろう恋の不安定さと、まっすぐな純真さを歌います
ご本人は決して派手なことは好まず、この曲も静かな編曲を希望していたようです
しかし実際は、「シンセサイザー」を駆使し、プロによるきらめくようなアレンジに仕上がっています
結果的には、この手法が大ヒットにつながったのでしょう
ギターの弾き語りでの『初恋』、私はとても好きです
『初恋』に幻の「3番」はあったのか
「村下孝蔵」さんが最初に持ち込んだデモテープには、こんな歌詞があったと言われています
幻の「3番」などと言われたりもしていました
取り戻せない 震えた心 汚れた胸の奥・・・
思春期の青年の直截的な叫びが表現されています
オリジナル作品にほんの少しだけ「にごり」が加わり、「村下孝蔵」さんをより身近に感じることができたような気がしました
放課後の校庭を 走る君がいた
私にも、「カバーをかけた学生カバン」を自転車の後ろにくくりつけ、走る去っていく「君」が…
その後ろ姿は大事な思い出、永遠の宝物なのでした
了
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村下孝蔵 踊り子 「少女」の恋は”行き止まりの恋”だったのか


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