酒と男
時代により「男らしい」という概念は変わっていきます
昭和の男は黙って背中で語ったと言われています
多くを語らないことを美徳と考えました
無口、頑固さ、酒が強い=「男らしい」と、一直線につながっていたのでしょう
男らしいのはいいんですが、厳しすぎるのもちょっと困ります
「星一徹」や『柔道一直線』の車先生(高松英朗)なんかは、困ったちゃんの典型例と言えます
いまではこの「男らしい」という表現さえ不適切となってきました
そこで思い出されるのは、ドラマ「不適切にもほどがある!」
昭和の男の悲哀を描いたドラマとして、これほど適切な作品を久しぶりに見た気がします
令和のエンタメとしてはNO.1に選ばれるはずです(ただし、昭和のオヤジたちを対象とするならば…)
平成では「結婚できない男」一択です
誰が何と言おうと変わり者好き、屁理屈好きな私にとって、ゆるぐことなくトップの地位にずっといます
昭和のエンタメはあまりにたくさんありすぎて…
独断と偏見まみれ、なおかつ「男の背中」で絞らせて頂ければ、映画『冬の華(はな)』
「池上季実子」の美しさ、「クロード・チアリ」のギター、「小沢昭一(的こころ)」の怪しげな「陳さん」役
どこをとっても一流です
ラストの「健さん」のふり向いたお姿が「男らしさ」のすべてを語ります
「河島英五」による「酒と泪と男と女」の世界
飲んで 飲んで 飲まれて 飲んで
三回に一度は ”飲まれています”
この微妙な言い回しが好きです
男の弱さを感じます
楽器演奏の上手な方は、ライブ映像を検索するのがとても楽しみです
オリジナルにはない、アートスティックな場面に出会えます
ピアノの弾き語りでは、ゆっくりめなテンポで一音一音丁寧に語られています
間奏での「ハーモニカ演奏」はさらに心を打たれました
男性での弾き語りなんて「森田公一」さんぐらいしか知らない私は、この完成度の高さに驚きを隠すことができません
次に私の目に登場された時は、ギターに持ち替え熱唱されていました(ギターテクニックも相当らしいとのコメントも多くありました)
作詞・作曲・ピアノにギターさらに卓越したハーモニカ
どれもいぶし銀の匂いはを放つ、才能の宝庫と言えるでしょう
あの時代を築いた最後の生き方として「昭和の男」を見事に演じています
野性味と武骨さと、そしてうちに
泪と女
あの頃はよかった
いい思い出ばかりを残しながら、人は生きています
どこでもタバコを吸えたし、消費税もなく多様性なんて発想自体がありませんでした
明日への希望と活気があり、男と女がしっかり区別されていました
そんな社会の中で、女性たちはどうだったのでしょう
いろんな意味で、とても厳しい環境だったに違いありません
泣いて 泣いて ひとり 泣いて
令和になった今でも、女性の立場が急激に変わったとは思えません
「私たちは気を使ってますよ」的な雰囲気だけは感じるのですが…
それゆえ余計に ”女性のほうが偉く思えてきて…”
やがて 男は
俺は男 泪はみせれないもの
昭和の男もけっこう辛かったのかもしれません
わずか19歳で ”男のずるさ”と”女の偉さ”を感じた「河島英五」さん
この作品に出合えたのも「昭和」という時代あってのものです
やがて男は・・・
静かに眠り続けられるよう、心よりお祈り申し上げます
奥さんは仕事をジャンジャンバリバリ、私はのんびり主夫業をこなしながら・・・
野暮でガサツな昭和を嘆いたり懐かしんだり・・・
令和もやっぱり捨てがたいと思ったりもする「小沢昭一的こころ」なのでしたでした
了

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