中村雅俊 『盆帰り』 ひと夏の「ふれあい」、そして「心の色」合いを描きます 

「小椋佳」さん作品といえば「シクラメンのかほり」・「泣かせて」・「愛燦燦」・「夢芝居」…

名曲は数あれど、少し隠れたという意味ではこの「盆帰り」を推さずにはいられません

テレビでラマ&主題歌である『俺たちの旅』(1975年)に心酔していた私は、その余波?ではないでしょうが、続けてこのレコード買っていたのです

 

結果的には、今でもレコードジャケットを見ただけで胸が締め付けられるような、心に残り続ける作品なのでした

盆帰り 昭和51年(1976年)

作詞・作曲:小椋佳 編曲:安田裕美

 

郷愁を誘う独特なイントロは「安田裕美」さんの偉大さが分かります

少し調べさせていただくと「山崎ハコ」さんの夫であり、2020年7月6日に永眠されたばかりでした

ご冥福をお祈り申し上げるとともに、聴いている今も一層深く思い入れが募(つの)ります

 

君が着た 花がすり 君が舞う 花まつり

ひとときを 故郷の ふところに 遊ぶ

 

「君」は絣(かすり)の着物での盆踊り、それを見つめる私がいます

そして、お盆で帰省した過ごし方を ”故郷のふところに遊ぶ” と言われています

 

ようこそ、小椋佳さんの世界へ!

この「沼」にハマると、もがくことも忘れ、ただひたすらに奥へと進みたくなるのです

 

いくつかの 年月を くり返す この旅を

窓に寄り いわれなく 思うのは 何故

Aメロ・A”メロ・サビという流れを情景豊かに丁寧に歌われます

 

そして、「なぜ?」という言葉でずっと問いかけ続けるのです

ほんのひと時の帰省ために、気ぜわしく過ごす意味についての「何故」という疑問

本人には初めから理由がわかっていたのかもしれません

 

色んな思いが駆け巡る中で、いよいよ大サビに突入するのです

 

その前に、簡単に構成をもう一度

1番:Aメロ・A”メロ・サビ

2番:Aメロ・A”メロ・サビ

3番:A”メロ・大サビ

 

このひとひねりした構成が、昭和な感じでとてもいいんです

大サビに入る前のアレンジも聞き逃せません(編曲・安田裕美ここにありです)

 

せせらぎに 素足で 水をはねた  夕暮れの丘で 星を 数えた

過去の色んな思い出がよみがえります

 

ここぞとばかりの、曲の盛り上がりがたまりません

 

突然の雨を 木陰に 逃げた

夏の終りと、水のせせらぎ・水のしぶきが交差します

 

故郷の 君の姿 ぬぐいきれないと 知りながら

ララララ ララララ ララララ ラーララ・・・・

 

「ぬぐいきれない」この思いこそが、「小椋佳」さんがこの歌で伝えたかったことなのでしょうか

私などにはわかりません

 

ただ「中村雅俊」さんの表情が忘れられません

彼のあの声が忘れられないのです

そして、少しやんちゃな青年「中村雅俊」さんにしか許されない切なげで、少し悲しげな表情がこの歌には似合いすぎているのでした

 

『盆帰り』はあの思い出深き青春ドラマへの回帰と同時に、私のほろ苦い「青春帰り」そのものだったのかもしれません。

P.S.

お盆

仏教用語の「盂蘭盆会」(うらぼんえ)の省略形として「盆」(一般に「お盆」)と呼ばれる     (ウィキペディア)

 

幼き頃は親戚中が集まって来て、にぎやかに過ごしたお盆ですが、徐々にその数も減っていきました

農家の次男として生まれながら、後を継いだ親父も超高齢となった今では、訪れる人も律儀な甥っ子ただ一人となったようです

 

そんな過疎化が進んだわが地方では、「お盆」のことを「ぼに」と呼んでいた気がいます

 

「ウィキペディア」の「お盆」欄にその「ぼに」の名前を見つけたのでした

 

名称に「ぼに」がある。『蜻蛉日記』上巻応和二年に「十五、六日になりぬれば、ぼになどするほどになりにけり」とあり・・・

こんな片田舎から『蜻蛉日記』という言葉に出会えるとは思いませんでした

『蜻蛉日記』(かげろうにっき)

蜻蛉日記』(かげろうにっき、かげろうのにっき、かげろうにき)は、平安時代の女流日記。作者は「藤原道綱」母

題名は日記のなかの文「なほものはかなきを思へば、あるかなきかの心ちするかげろふの日記といふべし」より 

夫である藤原兼家との結婚生活や、兼家のもうひとりの妻である時姫(藤原道長の母)との競争、夫に次々とできる女性について書かれています (ウィキペディア)

 

いつの時代にも男女の関係には、尽きることのないドラマが繰り広げられていくのでしょう

コロナ禍で帰省をためらっておられる方も多いかと思われます

 

そんなあなたに「小椋佳作品」と「蜻蛉日記」、おすすめいたします。

 

中村雅俊 俺たちの旅(ドラマ) / ただお前がいい  昭和50年

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