ドラマ /俺たちの旅
今思えば、多感な年である13~4歳にこのドラマに出逢えたのは、幸運だったと思います
鎌田敏夫
脚本は、一連の青春ドラマを手掛けた鎌田敏夫さんです
「中村雅俊」さんを、一躍メジャーに押し上げました
「俺たちの旅」5話
カースケに想いを寄せる洋子は、心配のあまり忠告します
「誰だって人を裏切らないとならないときがあるのよ」「・・・人は裏切ったり裏切られたりしながら、成長していくのよ」
バシッ!(思わず手が出ます)
「どこで読んだんだ、そんなこと!」「何の本に書いてあったんだ!」「おまえ、人を裏切るってことがどんなことか知っているのか!」
「裏切ったことがあるのか!!!」(たまらず怒鳴りつけます)
この想いこそが、カースケ(中村雅俊・大ヒットのより紅白にも出場しますが、確かジーパン姿に下駄をはいていたような・・・)なのです
洋子(誰もが憧れた金沢碧さん)は何も言い返せず、じっと見つめ返します
青春です、俺たちの旅です、鎌田敏夫の世界なのです
ある意味、金沢さん以上に、私はカースケの生き方に憧れていたかもしてません
自信を無くした洋子は、アナウンサー試験を受けるのを止めようとします
ずっと洋子に想いを寄せるオメダ(田名健・ダメオから)はほっとけません(とにかく真面目です)(妹役は岡田奈々さんは、永遠のアイドルです)(母役の八千草薫さんも、品の良さが光ります)
あいつは、いい加減なんだよ 不真面目なんだよ
君に対してだって すべてに対して…
もどかしくも、思いのたけをぶつけます
少しの間があります
そうかしら そうじゃないと思う(信じられないという感じで見つめるオメダ)
あの時、津村君(カースケ)真剣だった 本気で怒ってた!
誰にも叩かれたことのない洋子は、自嘲気味に続けます
いい子ちゃんだから私 世の中のこと何も知らないくせに・・・少しぐらい頭がいいからって、思いあがっていたのよ
それを津村君が叩きのめしてくれたのよ 嬉しかったの!(思わず目を伏せるオメダの表情は、とても悲しげです)
カースケは「洋子」と呼び捨てだが、オメダはいつも「洋子さん」です
「嬉しかった」の一言は、あまりにも残酷でした
辛いです
厳しい現実です
洋子さんの気持ちを悟ります
肩を落として、いかにも昭和なアパートヘ帰るオメガ
二人がアパートに押しかけて嫌気がさしていたグズ六(津坂まさあき/現・秋野太作)(奥さん役の上村香子さんの笑顔が素敵です)
追い出そうと、スーツケースに荷物を勝手にまとめていました
酒飲みたいなぁ こういう時に酒ってあるのかな
ふられちゃった、そりゃ俺のこと思ってくれるとは思ってなかったですよ
でも、はっきりと分かってしまったら・・・
ふと目にとめるスーツケース、グズ六は慌てます
出ていこうとするオメダにぽつりと言います
「飲みに行くぞ!」
この一連のオメガの複雑な気持ちを、音楽担当「トランザム」が、渾身のBGMで盛り上げてくれるのです
「セリフがいい」 「脚本がいい」 「役者がいい」 「音楽がいい」のです
ここまでが、エンディング曲「ただお前がいい」の、いわゆる「まえふり」です(長くなり過ぎました)
感動の余韻を残しつつ、画面は動きつつ、流れてくるのです
この物語に似合いすぎています(何故かイルカの「雨の物語」を思い出します)
『俺たちの朝』オープニング曲 唄・松崎しげる わが青春の愛のメモリー
ただお前がいい 昭和50年
作詞・作曲:小椋佳 編曲:チト河内(トランザム)
歌詞が難解です
小椋佳さんは、ご存じのように、エリート銀行員でした
流石(さすが)に表現の仕方や言い回しなど、私などには理解できない部分も多くあります
あくまでも、自己満足の解釈ですので、お許しください
1番は難解すぎて飛ばします
その人(たぶん男)は、伝言板に書くのです(2番)
今日もまた一つ 忘れ物をしたと 誰にともなく書く
駅に設置されていた「伝言板」
知らない人も多いかと思い、子供に聞いてみると、末娘(16)は、何・それ?…まぁ当然でしょ
長男(21)は、「X・Y・Z」のヤツやろ
???
よくよく聞いてみると「シティハンター」で仕事の依頼の時に「X・Y・Z」と書いて使われたらしいのです
おとすものなど なんにもないのに 伝言板の左端に
小椋佳さんは、わざわざ「左端」のという言葉を付けています
毎日あてもなく書いている彼は、書きやすい右や真ん中を避けていたのです(勝手な想像です)
彼なりの「邪魔にならないように」との気遣いなのです(昔は歌詞の意味など考えず、聞き流していたが、今は勝手にあれこれ邪推しています)
通り過ぎてきた 青春のかけらが 飛び跳ねて見えた
「忘れものをした」のは、この1番の歌詞「青春のかけら」だったのか
とんちんかんで、愚にもつかない事を考えている時間が、今では何故か楽しいのです
何度か繰り返される、最後の歌詞です
また会う約束などすることもなく それじゃまたな と別れるときの
お前がいい
歌詞が難しいのがいい よく分からないのがいい そして、最後のテロップもいい
生きることの ほんとうの意味は 学校では 教えてくれない (ある回のテロップです)
ただこの歌がいい。
P.S.
宝くじ
小椋佳さんは、東大法学部卒後、日本勧業銀行へ(頭取を目指せるほどの逸材だったみたいです)
銀行の変遷(へんせん)、パート2です
「日本勧業銀行」+「第一銀行」⇒第一勧業銀行⇒「みずほ銀行」
そもそも宝くじ業務を委託されていた「第一銀行」の流れから、今も「みずほ銀行」が独占販売しています
40%は発売元(県や自治体)・14%は販売経費・7%が銀行収益です
残り46%を買った人たちで取り合います(1万円かった時点で、4600円の価値しかありません)
還元率
競輪・競艇 75%
競馬 70~80%
パチンコ 80~85%
いかに、宝くじが割に合わなかが分かります
ある人が言われていました
1等に当選する確率は、交通事故で300回死ぬ確率と同じくらいらしいです(事故るのではありません)
仮に当たっても、不幸になる確率が非常に高いと聞きます
「宝くじ」
それは「愚か者に課せられた税金である」と ”ユーチューブ・両学長より引用”
愚か者の私は、これまでずっと買い続け、県や自治体にたくさんの税金を納めたことでしょう
今後は、しっかり節税に心掛けたと思います(こんな安定志向はカースケに叱られそうですが…)
しつこいようですが、「俺たちの旅」に戻ります
生きるってことは、必ずしも楽しい事ではないんだよ、お前みたいなバカには分からないんだよ
グズ六は仕事に悩んでいるオメダを助けます
生きるのが楽しくない奴のほうが、俺よりバカだよ
たとえ生活が安定しようと、金があろうと、生きることが楽しくない奴は、俺よりずっとバカだよ
カースケは言い切ります。
了
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