堀内孝雄 『憧れ遊び』 影法師のごとくドラマに寄り、愛しき日々をすごしています

1985年(昭和60年)日本テレビ系で12月30日・31日に全国放送された年末時代劇スペシャル 忠臣蔵の主題歌でした

局内では、「今更時代劇でも…」との意見もありながらの、二夜連続2時間30分の大型時代劇です

しかし、結果は大成功でした

当時の怪物番組「紅白歌合戦」に対抗して、15.3%もの高視聴率をマークしたため、スポーツ紙に「討ち入り成功」「紅白討ち取ったり」などと書かれたようです

 

そんな背景などつゆほども知らず、たまたま耳にした『憧れ遊び』

数々の素晴らしい俳優陣の映像越しに流れてきました

 

憧れ遊び 1985年(昭和60年)

 

作詞:小椋佳 作曲:堀内孝雄

 

何となく聞き覚えのありそうなこの素敵なイントロ(タタン タタン タラン タラン…)で、「何の曲だったかなぁ」と考えているうちに、曲は始まっていました

 

君を 花に 例えたら 笑うだろうか

いきなりかなりの高音でこの歌は始まりました

彼女を慮(おもんぱか)る言葉、イントロの雰囲気、若き「ベーヤン」の透き通った声

作詞は「小椋佳」さんです

これほどの条件が揃うと、もう期待はどんどん高まるばかりです

 

白い ユリの ようだと 云えば

胸の炎に 気づいてないと 戸惑うだろうか

彼にしか書けないこの世界感が、いきなり全開で迫ってくるようです

「神」のお言葉を、神妙に授かるような心持とでもいえば、少しは理解していただけるでしょうか

 

「小椋佳」さんの「詩」を理解しようなどと思うのは、とうの昔に諦めています

ただ受け入れるだけで、なんとなく心地よい気分にさせてくれるのです

 

いつも、出会えたことだけでも有り難く、新しい喜びが次から次へと湧き出てきます

 

余談ですが、私の好きな花は黄色い水仙白いユリの花です

「ユリ」の花の凛(りん)とした感じが「小椋佳」さんにはよく似合う気がします

派手さはないけれど、どこか野生植物のような清らかな美しさを持つ「水仙」は「堀内孝雄」さんのイメージに重なるのです

 

この歌には、二人のとてつもない才能が凝縮されており、出自(しゅつじ)の良さのようなものを感じてしまいます

 

君の言葉に 歌を聴き 君のしぐさに 舞を見る

 

男はいつも 憧れ気分 口づけの間も 夢遊び

 

う~ん なるほど・・・

みなさん、そうゆう・・・ことです・・・

 

憧れ…  遊び…

ただ題を書いただけです

そして、ただこの歌が、意味も分からず好きで好きでしょうがない自分がいました

 

迫真の演技を続ける、昭和の名俳優や美しき女優さんたちの輝きをバックに流れています

私の中では、いろんな思いが混在しつつ、この作品の幕はこんな言葉で閉じられていました

 

男はいつも 憧れ気分

抱きしめる 時さえ 夢暦

 

今は全然理解できませんが、いつか「あぁ、なるほど」と思える日が訪れるよう、これからも何度も何度も聴いていきたいと思います

 

「小椋佳」さんは、安定した生活を投げ出し、決して諦めることのできない強い思いを叶えたあの「赤穂浪士」ともいえるのではないでしょうか

 

作曲家としてもでも有名な「堀内孝雄」さん

『愛染橋』(山口百恵)山河』(五木ひろし)

楽曲提供作品も素晴らしいです(まぁ、百恵ちゃんの歌い方も最高すぎるんですが…)

 

曲・歌手とも、かなりマイナーですが、『化粧』(青木美保)という作品は、同じ『化粧』(中島みゆき/桜田淳子)とともに昭和の名曲として、もっともっと輝いてほしいと願うばかりです。

 

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P.S.

 

峠の群像

赤穂浪士による討ち入りが行われる「忠臣蔵」

毎年決まったように12月14日にテレビ放送されていたのも今はもう昔です(「あぁ~今日は14日なのね」と思ったものです)

 

当時は時代劇にあまり興味がなかった私も「緒形拳」主演の大河ドラマ「峠の群像」は強く印象に残っています

「緒形拳」という役者を初めて意識したのもこのドラマからかもしれません(初見は「赤い激流」かも)

 

不思議なことに、討ち入りの場面よりも、遊びほうけてのほほんと暮らしている姿が、とても印象に残っています

1982年制作と言えば、ちょうど私自身も自堕落(じだらく)な生活をしていたころ、なんとなくた親近感がわいたのかもしれません(ただし、大きく違っているのは、彼は世間の目をごまかすための仮の姿だったことです)

 

「昼行灯(行燈)」(ひるあんどん): 昼間に行灯(あんどん)を灯しても意味がないことから、転じて日頃からボンヤリとしている人や役に立たない人を揶揄する言葉として使われる

この言葉を知ったのも、この大河ドラマだった気がします

 

思い返せば、私がずっと「昼行灯」のまま生きてこれたのも、周りの人の助けがあってのことです

いつの日か、「吉良殿、討ち取ったでござる!」とはいかないまでも、ブログ界への「討ち入り」ぐらいは参加したいものです

 

そういえば、「吉良上野介」(こうずけのすけ)役は「伊丹十三」さんでした

逃げ回り、追い詰められ、あのおびえる表情が忘れられません

役者として、監督として、一人の男として尊敬いたします

 

亡くなられ方については・・・

今でも信じていない自分がいます。

 

 

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