アルバム『起承転結』 重要有形文化財に登録してください
昭和52年の『旅立ち』から昭和54年の『夜明け』までのシングルのAB面収録曲から12曲が収録されています。
A面を中心とした厳選6曲を紹介(個人的感情が入り、かなり偏っています)
旅立ち
デビュー曲にしてほぼ頂点まで駆け抜けました
札幌テレビ放送「竹田健二」ディレクターとの運命の出会いは、この曲があればこそ(テレビやウキペディアも言っています)
心の中の貴方(あなた)は いつもやさしい
どんなに辛くても、決して泣いたりなんかしません
貴方の思いでだけは消えたりいないから・・・
そして
貴方の旅立ちだから・・・
この歌詞を見つめ直しているだけで、涙が滲(にじ)んでくるのは、歳のせいばかりではない気がします。
初恋
いつの時代も、男の移り気・心変わりはいかんともしがたいもの
恋のはじめの切なさ→恋することの楽しさ→恋の終わり悲しさを教えられます
そして最後に「女の意地」を知らされます
人の成長とは、辛い経験が多い程にその速度を速めていくのでしょうか
すべてを投げ出すような、身を焦がすみたいな恋、普通の恋愛経験もほとんどない私は
今でも成長が未熟であり、人として浅い人間なのでしょう。
かざぐるま
聴いたことのない方は分からないでしょうが(当たり前ですが)、2番の歌詞の「いつでも貴方に 嫌われぬよう…」
この いつ~~でも… の歌い方がとてもいいんです(聴くたびにココ・ココがたまらなく好き!って心で叫んでます)
貴方の心は 気ままな風
とまどう私は 風車
いつも、いつでも貴方に気を遣う私は、こう願わずにはいられません
まわれ 風車風車 いつまでも
題の表記がひらがななのもいい
そこには「風車の弥七」のイメージは、一切入ってこないから(個人的にはとても好きな俳優でしたけれど…)
銀の雨
健気な女性の気持ちをつづった曲を中心に取り上げようと考えています
「銀の雨」は、その頂点であり、最重要文化財であるべき作品だと確信しています
松山千春さんの歌い方は、特別に優しく、語るように流れていきます
作中、別れ話が出てきたとき、貴方について来たのは「私のわがままだから」と言う場面があります
「自分のことをそのように言える貴女(あなた)は、とても素敵で、決してわがままなんかじゃありませんよ」 っていつも伝えたくなります
《音楽としても申し分なく》
二つのギターの響き、テクニックは素晴らしく、アレンジの良さと相まっては、花を添えています
チー様!(ファンの間ではそう呼ばれているらしい)
そんなに優しく唄われると、本気で泣いてしまいます。
時のいたずら
学生時代によく聴きました(リピート機能が不十分で、手動で頑張ります)
カセットテープを車で聴き過ぎたのか、演奏が乱れる部分が来るたび、今も思い出されます(白い樹脂のカセットで上に青っぽい紙貼られていたような…)
A面では珍しい、男歌です
昔愛した人を 思い出しただけさ
今さら言えないよ それは君だ
苦笑いだと、自嘲気味に自分に言いきかせます
女性の変わりようは時にとても著しいことがあるようです
そしてそれは、あまりにも厳しい現実「時のいたずら」だったのです。
蛇足になりますが、「オカリナ」らしき楽器もいい仕事をしています(個人的に地味な楽器が大好きなもので…)
青春 Ⅱ(パート2)
B面からの初登場です
大ヒットした『季節の中で』等、こちらサイドにも名曲がたくさんあります
その中からあえての、『青春Ⅱ』ですが、普通に好きです (普通かいっ!)
ご存じの方も多いかと思いますが、われらが「高田みづえ」ちゃんへの提供曲なのです (だから? ハイ!)
改めて聴き比べてみました
透き通るような高音の伸びは「チー様」にかないません
声の安定度も、彼女はかなりの歌唱力の持ち主ですが、文字通りひいき目に見ても若干厳しいかと
しかし
貴方生きた 青春の日よ 愛にすべてを かけた日々
こんな曲は、どこか朴訥とした、微妙にあか抜けない「高田みづえ」ちゃんが歌うと、特にしっくりとくるのです (ちなみに、彼女のLPレコード2枚持っており、かなりのファンです)
最後は、話が少しずれましたが、『起承転結』は永遠に不滅だと今でも思います
もともと、姉貴がファンで、毎朝のようにステレオでガンガン鳴らし(離れの上下で住んでいた)
自然と覚え、最後は12曲の順番まで分かるほどまでに
田んぼの中の一軒家という環境(大音量でもOK)と、親愛なるお姉さまに感謝いたします。
作詞:松山千春 作曲:松山千春
すべての作品を自ら ここが大事です
国宝などと日本だけにとどまらず、ノーベル音楽賞を授与して頂けなければなりません
ノーベルさん、「ダイナマイト」の発明も凄いですが、チー様(だんだん知り合いのような気がしてきました)が「健気な女性の気持ち・揺れ動くさま」を研究・発表したことも、かなり凄いですよ!!
P.S. 番外編
ひとりじめ 昭和55年
「浪漫」(ロマン)というアルバムの最初の曲です
バカを承知で ついていくわと
笑うお前を 今夜はひとりじめ
多くは語りません、とにかく聴いてください
「松山千春」さんをご紹介するうえで、どうしても外せなかった作品です
[なぜなら]
これまで登場してきた親愛なる彼女たちが、何故かこの唄で救われるような気がします
そしてすべての人が幸せになれそうに、思えてくるのです。
了
コメント