昭和の名曲(チョットだけ隠れた)といえば『人形の家』(弘田三枝子)と並び、かなり有名で、その道の代表選手と言えるでしょう(少し失礼だったかもしれません)
昭和47年ぐらいになると、私の記憶も比較的しっかりしてきている時期ですが、「千葉紘子」さんのお顔は覚えていませんでした
映像はあまり残っていませんが、歌詞が印象深くずっと心に残り続け、改めて訪ねてみたくなりました
折鶴(おりづる) 昭和47年(1972年)
作詞:安井かずみ 作曲:浜圭介
いきなりの自前記事の宣伝となり、申し訳ありません
これらは「安井かずみ」さんの手によるものですが、どれも詩が作品の主役を演じている気がします
この『折鶴』も、彼女の脚本として素晴しい出来であり、名女優「千葉紘子」さんが魅せてくださいます
誰が教えてくれたのか 忘れたけれど 折鶴を
シックな和服は、薄いベージュを基調としおり、薄紅色の折り鶴がそっと添えられており、よくお似合いの着物姿です(かなり後年のようですが、この映像を中心としてコメントさせて頂きます)
折ってたたんで裏がえし まだおぼえてた 折鶴を
”折ってたたんで裏がえし”
最初の歌詞から一気に動きが加わり、素敵な旋律と一緒に自然な感じで流れていきます(2番は”会って別れて会いたくて” そしてくり返し部分は”泣いて笑って明日また”)(もう、奇跡の言葉運びとしか言えません)
”わすれたけれど” から ”まだおぼえてた” と呼応させ ”折鶴を” と繰り返します
ただ”折鶴”ではなく”折鶴を”
この「を」の使い方に、「洗練さ」と「プロフェッショナル」を感じます(さすが、「フェリス女学院高校卒です、名前を聞いただけで十分オシャレです)
「わたしは 待っています」 と伝えて いつでも きれいな夢を
丁寧に、気持ちを込めて折った折り鶴に、儚(はかな)い思いを託(たく)します
色んなことが あるけれど それは誰でも そうだけど
悔(く)いのない青春を 詩(うた)って 歩きたい
誰もが勇気づけられ、明日への希望が湧(わ)いて来るようです(後悔ばかりの青春を過ごした私には、この歌詞がチクりと刺さります)
千葉さんは、一言一言大切にされ、言葉を優しく包み込んで歌われているようです
微妙なタメ・丁寧なビブラートを使っての声は綺麗に伸びていきます
時おり見せる、膝をちょこんと折りながらのリズムのとり方
アップになった時に映る、ほんの少しの目じりのシワと笑顔
すべての立ち居振る舞いが絵になり、観客たちを・少し年老いた私を魅了するのです
2番の始まりの歌詞です
誰に教わった わけじゃなく
「おそわった」ではなく、「おさぁった」と歌われます
この言い方が、とても心地よく幸せな気分にさせてくれました(たぶん私が、少しではなくかなり年老いたからかもしれません)
このステージでは、ピアノ演奏に「浜圭介」先生が、そしてたくさんのコーラスの方々が華をさえられていました(あとで調べてみると、ピアノ演奏については、浜さんかどうか確認できませんでした。コメントの受け売りなので、ちょっと怪しいかも?)
「作曲家・浜圭介さま」
それはさておき、今回も素晴らしい曲を大変ありがとうございます
改めて、素晴らしい作品の数々に感動しております
そして、「浜圭介」さんの作品を、偶然(?)ですがこのブログで紹介していました
最初からの流れ的(?)に、リンクを貼っておきましたので、よろしければ・・・(「安井かずみ」さんとのえこひいきはできませんので、悪しからず)
失礼いたしました。
P.S.
『折り鶴』 梅原司平
もう一つの『折り鶴』も大変すばらしい内容でしたので、勝手ではありますが、ここに紹介させて頂きました
唄・作詞・作曲:梅原司平
生きていてよかった それを感じたくて
広島(2番の歌詞は長崎)のまちから 私は歩いてきた
苦しみをことばに 悲しみをいかりに
きずついたからだで ここまで歩いてきた
この耳をふさいでも 聞こえる声がある
この心を閉ざしても あふれる愛がある
はばたけ折り鶴 私からあなたへ はばたけ折り鶴 あなたから世界へ
中略
はばたけ折り鶴 心からあなたへ はばたけ折り鶴 あなたから世界へ・・・
コロナ禍(か)の今、皆さま大変な状況だと存じます
緊急時に不謹慎かもしれませんが、家にある何か四角い紙を探して、折り鶴を作ってみませんか
少しだけ心を落ち着かせてみてはいかがでしょうか。
了
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