ロックバンド「ハウンドドッグ(HOUND DOG)」のボーカル「大友康平」さんといえば、なぜか私はこの映画を思い出します
飲みあげた夜によく泊まっていた温泉施設にて、大広間のスクリーンに映し出された「ゴールドラッシュ」(主演大友康平・南野陽子)
誰も知らないであろうこの映画が妙に印象に残っているのです(まわりの酔っぱらったおっさん達のイビキがかなりうるさかったです)(途中からなので、内容もよく知らないけれど)
「大友康平」さんも「ハウンドドッグ」についても詳しくないのに、この曲に聞き覚えがあるのが少し不思議なのです
しかし、バラード好きな私には、ふと耳に入ったこの旋律を軽く聞き流すことなど出来ませんでした
ラストシーン 1985年(昭和60年)
作詞:松井五郎 作曲:八島順一
アルバム「SPIRITS!」収録曲らしいのですが、よく分かりません
少なくともシングルカットされていないみたいです
イントロの「蓑輪単志(みのわひとし)」さん(たぶん)が奏でるキーボードの澄んだ響きだけで「名バラード」であることを確信させてくれました
古い写真を 思いがけなく みつけた ように おまえに逢った
限りなく甘い声で語りかけるように、このドラマが始まります(初期の大友さんのこの声に身も心も持っていかれます)
どんな ことばでなら いまのおまえに 似合う
最初のAメロが終わった瞬間、声は力強くなると同時に、キーボードによる最高の旋律で盛り上げてくれるのです
彼は突然の出逢いに、何を言っていいのか、どうほめていいのか分かりません(女性のほめ方も知らない、つまらない男だと自嘲気味につぶやくのです)
「男は黙って、サッポロビール!」(こんな古いCMのキャッチコピーを思い出します)
ふりむいても まぶしすぎる 俺たちの夏
もうひとつの夢 眠ったのも 忘れていいぜ Ah yeah
「松井五郎」さんの作詞に思いを巡らします
ここは「もうひとつの」なのか、「もう」「忘れていい」のかどっちかな?
などと考えていたら2番に入ってしまいました
ちぎれながら あふれてくる 最後の場面
ただやさしさだけ へたなままの 俺が残って
ここも微妙ですが、全体的な流れから「ただ」「俺が残って」を採用させて頂き、「もうひとつ」ではなく、「もう」「忘れていい」が正解かなと勝手に考えております
また、「ちぎれながら」は「古い写真」とたとえた1番の最初の歌詞にかかっている(たぶん)のかもしれません
この年「ff(フォルティシモ)」のヒットのより、ロックバンドとして一気に知名度が上がります(『涙のBirthday』も外せない名曲です)
懐かしい昭和のバラードに心酔(しんすい)した私には、『ラストシーン』をこよなく愛するとともに、「ゴールドラッシュ」の映画をもう一度見たいという想いにかられました
そして、懐古趣味が日に日に強まり、老害化へと突き進んでいる現実を、しっかりと受け止めなければならないことをも意味します
ウィキペディアによると、その後紆余曲折(うよきょくせつ)があり、現在は一人で活動されているようです
この経緯について、大友さんを批判されている方もおられます
しかし『ラストシーン』という素晴らしい作品は、彼らのひととなりで何ら色あせるものではありません
また一つ、昭和の名曲に出逢えたことに感謝したいと思います
なお、私が見た動画では「堀北真希」さんという素敵な女優さんの写真が使われていました(この相乗効果により、私の中でこの曲のイメージが2~3割アップしたのは言うまでもありません)
(私の中で「堀北真希」さんは、永遠に『ALWAYS 三丁目の夕日』の「六ちゃん」であり、今でもずっと止ったままなのです)
P.S.
ハウンドドッグの出世作『ff(フォルティシモ)』(一般的にはフォルテシモとも)
f f : 「非常に強く」
強く、非常に強く愛の深さを誓う歌でした(なるほど、だからフォルティシモなんですね)
音楽記号
mf : メゾフォルテ 「やや強く」
f: フォルテ 「強く」
p: ピアノ 「弱く」
pp:ピアニッシモ 「非常に弱く」
アダージョ(ゆるやかに)・アンダンテ(歩くような速さで)・モデラート(中ぐらいの速さで)
クレッシェンド/デクレッシェンド(だんだん強く/弱く)などなど
音楽の時間を懐かしく思い出されます
驚かされたのは
fff: フォルティシシモ 「特に強く」(pppもありました)(ffffもあるとか / フォルティシシシモ・ここまでくるとわけが分からず、笑わしにきているとしか…)
調べてみると、記号のあまりの多さにあ然とします
D.C : ダカーポ 「はじめから繰り返す」
「ダ・カーポ」と言えば、昭和の名曲『結婚するって本当ですか』(久保田広子・作詞 / 榊原政敏・作曲の傑作です)
『ラストシーン』への思いは「fff」、「アダージョ」ではありますが、聴けば聴くほどにこの曲への思いは「クレッシェンド」的に盛り上るのです(訳が分かりません)(言葉の懐かしさのあまり、どうしても使ってみたくなりました)
「ハウンドドッグ」には、数々の素晴らしい作品があることを教えられました
一つ一つ「D.C」しながら・・・(もういいですね)
Fine : フィーネ 「途中で終わらせる」 (残念ですがこの辺で音楽記号の授業を終わらせて頂きます)
了
伊丹哲也&Side By Side 街が泣いてた 昭和55年
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