上田正樹 『わがまま』 大人の女性の悲しい色が滲(にじ)んでは消え・・・

昭和57年(1982年)リリースした『悲しい色やね』(作詞:康珍化 作曲:林哲司)が、有線から火が付き翌年にかけヒットします(ご本人が作詞作曲がされているものと勘違いしていました)

 

それから10年、いろいろあったのでしょうが、この『わがまま』

作詞:上田正樹 作曲:上田正樹

満を持して、堂々たる作品に仕上がりました

 

『わがまま』 1992年

 

魅惑の旋律 断ち切る想い

 

私にとってこの曲は、ここの詩、ここの旋律がすべてです(すべては言い過ぎですけど、9割ぐらいのウエートで)

強烈に訴えてくるのです(サビだからなんて「言わないで」下さい、身もふたもないので)

 

すべてわかって 抱かれた事は わたしの最初の わがままだから

 

少しかすれ気味の声が哀愁を高めます

か細い体からは、想像もつかないような力強さと、いぶし銀のしなりを感じさせます

このフレーズが、頭の中で何度も何度も繰り返されるのです

 

 

ひきずる様に 愛してるなんて もう 言わないで

 

この最高の言葉で1番の幕を閉じます

それは、あまりにも哀しい願いなのでした

 

2番のサビは黙って聞くしかありません

(できれば、”桟橋に止めた車にもたれて”からお聞きすることをお勧めします)(グッと気持ちが入ります)(一部『悲しい色やね』の歌詞を引用しました)

 

涙を見せずに 笑ってあげる あなたの最後の わがままだから

装うように 別れようなんて もう 言わないで

 

「想いを断ち切る」

生きていく上で、一番辛い作業なのかもしれません

 

「上田正樹」さんの世界

 

アレンジ論争

 

動画を拝見していると、コンサート映像もチラホラ見受けます

そして、コメント欄には必ずアレンジ擁護派対否定派論争が勃発(ぼっぱつ)します

原曲を大事に守り続けながら、何年も歌い続ける歌手もおられます(ごく少数ですが)

彼の場合は、時が経つにつれ、かなり独特な歌い方をされています

 

擁護派:この人のアレンジは天才的 / アドリブメロディーのレベルの高さに痺(しび)れる / 文句があるなら、CD聞いとけ!

否定派:原曲完全無視のアレンジ、キモイ / 昔は良かった / 自分に酔いすぎ!

 

街のご意見は、大体こんな感じでしょうか

 

以前から、どの曲もオリジナルのイメージが強い私は、正直残念な気持ちが強く、否定派でした

しかし、「上田正樹」さんのライブ映像を見るにつけ、少しづつ考えが変わっていきました(ライブにもいった事がないので、あれこれ言う資格さえないのかもしれません)

月日の経過とともに、のどの状態も変化するでしょう(できるだけ負担をかけたくないと思うかもしれません)

 

経験を積むとともに考え方も変わるのは当たり前なのです

歌い方、表現の仕方にその人ならではの特徴が出てくるのは当然です

ただただこの作品に出会えただけで感謝します

 

昔のように歌ってほしいなんて、ただの「わがままだから」・・・

 

名曲 オネスティ(Honesty) ビリー・ジョエル / ホテル・カルフォルニア イーグルス

 

P.S.

 

我儘

 

「わがまま」を漢字で書くと「我儘」

調べて初めて気づく言葉の不思議、おもしろさです

 

わがおもいのまま

転じて、” 他を顧みず自分勝手に振る舞うこと。身勝手なこと。またそのさま。”(コトバンクより)

「わがままに育った選手権」なら、上位に入賞する自信のある私にとっては、不覚でした

「わが まま」

なるほどです

 

我儘な人の特徴

 

1.自己主張が強い

2.自分が正しいと勘違いする

3.自分の都合を優先させる

4.相手に色々要求する

5.態度に出やすい

6.自己愛が強い

7.損得勘定で物事を考える

 

自慢じゃないですが、7項目すべて受け入れる自信があります(まさにこの言い方が、1.2.6に当てはまっています)

本人は「あるがまま」に振る舞っているつもりでも、だれがどう見ても「わがまま」なのです

分かっちゃいるけど・・・

 

ありのままの 姿見せるのよ ありのままの 自分になるの

これでいいの 自分を好きになって これでいいの 自分を信じて (レット・イット・ゴー~ありのままで~より)

 

あの「松たか子」さんが、優しくささやいて下さるもので、つい・・・

 

P.S.2

 

独自のアレンジといえば「萩原健一」さん(この道のスペシャルです)

愚か者

 

『ラストダンスは私に』を見事に歌われていました(やはりこのハチャメチャなアレンジがカッコよすぎます)

 

そして、次に聴きたくなるのは『愚か者』しかないでしょう

「わがまま」を「あるがまま」と、はき違えている私は正真正銘の「愚か者」です

「愚か者の酒場」にさえ行けないのかもしれません。

 

桑名正博 『月のあかり』 息子は微妙ですが、歌は本物でした 

 

 

 

 

 

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