この春、島根の大学へ行った娘へ、久しぶりにラインしました
「地元で大きな花火大会があるので帰ってくる?」
10000発を打ち上げるサーキットでのこの企画は、チケット式の有料での観覧で、久しぶりの大きなイベントです
私とは中学・高校と仲が良く、受験勉強も塾にも行かずに一緒に勉強もしました
イベントごともよく家族で出かけ、花見や花火、夜景スポット等大好きです
夏休みも始まり、当然食いついてくるはずです
ライン電話をかけてきた娘は
「その日は、島根でも花火大会あるんよ」「行きたいけど…」
想定外の返事に愕然としつつ、「教習所は順調?」などと聞いたりはしたものの、その後の話はほとんど入ってきませんでした
「いずれは」と覚悟はしていたものの・・・
末っ子であり、生きる希望である、心のオアシスだったその「娘ロス」
思い出の宍道湖(しんじこ/島根県)の夕焼けが消えかか中、傷ついたこの心に「浜田真理子」さんの『あなたへ』が何故か沁(し)みわたるのでした
『あなたへ』 1998年、1stアルバム『mariko』に収録
作詞・作曲:浜田真理子
あなた=わが娘
歌の解説はしていません
「浜田真理子」さんが描く『あなた』とはずいぶん違いますが、今の私にとって「あなた」=「娘」としかとらえられませんでした
何かに なりたいと あなたは言う
長男・次男は早くから将来の自分の歩むべく道を決めていたようです
しかしこの末っ子、若き日の私と同じく方向が定まりません
ただ漠然ながら「倫理」とか「心理学」には興味があるようでした
あと「スサノオノミコト」がなんちゃら、かんちゃらとよく理解できないことを楽しそうに語っています
ちょっとだけ変な子供です
将来何になりたいかは分かりませんが、結構個性派なのに「目立たない人」を望んでいる気配を感じます
何かに なりたいと あなたは言う
だれでもない あなたが そのまま好きです
・飾らない性格(どちらかというと男らしい)(メイクは年相応に興味があるようですが、髪はめったに洗いません)(飾らないというか、基本めんどくさがりです)
・細かいことにはこだわりません(落ちたものでも平気で食べます)(たまの迎えに、ボロボロの軽トラや兄のシャコタン車で行っても気にしません)(兄が風呂に置いているカミソリでムダ毛を処理している)
・自分を主張しない控えめなところもある(成績は結構いいのに友達に自分のことはしゃべりません)(周りの意見に従い、不本意でも相手の話に合わせます)
・群れることを良しとしない(冷ややかで達観しているところがあり、友達は少ないはず)(数人のグループに所属しているが、真の友はたぶん一人だけと推察しています)(推薦での進学決定組は強化補講には参加しないので、お昼のボッチ弁当(一人だけで食べる弁当)になるのではといつも恐怖を感じている)(群れたくはないが、さすがに一人はいやみたいです)
・慎重である(自転車の乗り始めは、下り道では驚くほどのブレーキングです)(高校のチャり通では、いつもカーブミラーを必ず確認するらしい)(狭いぬけ道でよく出会うイキった車を、危ない奴だと用心し、何台も車種まで押さえています)(執念深いのかも)
・かなり忍耐強い(小学生の頃、熱があるのに3キロの道を歩いて帰り、肺炎になりかけた)(雨の日でも片道16キロを通っていた・今でも伝説の女子高生レベルだとほめてやりたい)
・小食かつ好き嫌いが多い(食べ放題のバイキングで皿にのっているのは、ソーセージとから揚げ2個・スパゲティー&ポテト少々といつ見てもまっ茶色)(しかも唐揚げを1個残しデザートコーナーへすぐに行きたがるが大して食べない)(ドリンクサービスも一杯しか飲まない)
・学校ではあまりしゃべらないようだが、家では私とよく話す(特に教師への観察が鋭く、説明の仕方など授業内容に手厳しい)(スマホチェックが終わるとひたすらしゃべり続けます)(うっとうしいと思うこともあったが、今ではとても懐かしい)
・意外と素直である(兄たちにノリでミッション免許をすすめられ、いまだに坂道発進に苦労しているようです)
だれでもない あなたが そのまま好きです
だれでもない わたしから あなたへのことば
娘よ
今のままで、ずっとそのままで生きていってほしい
ただし髪と体は洗え、彼氏ができてもすぐに捨てられるぞ!
浜田真理子
情熱大陸出演
島根県松江市の出身らしく、今でも変わらず暮らしているようです
ユーチューブで先ほど初めて「情熱大陸」を拝見させていただきました
大手レコード会社に所属するわけでもない。プロモーションなんてしたこともない。でもその歌は多くの人々の心を静かにつかんで離さない。
よく聞くナレーターさんの渋い声で淡々と語られます
プロのナレーションは、1語1語言葉が突き刺さり的を射ており、感心するばかりです
そして肝心の「浜田真理子」さん
あくまでも自然体で少しも気負ったところはありません
それは彼女の作品そのものにも感じられる、何とも言えない透明感にもつながっている気がします
あるきっかけで注目されると、メジャーデビューの話が舞い込みます
しかし彼女はそれをいとも簡単に断ります
自分のペースで生きていきたい
ナレーターはこのように問いかけます
”小さなライブハウスから大きなホールへ”
”地方から東京へ”
”今までのミュージシャンが当たり前のように望んでいた成功への階段を彼女はどう考えているのだろうか”
もし私の階段があるとするなら、本当にいいものっていうのが頂上なんです
彼女ははっきりとこう言い切ります
2年前にユーチューブ動画で彼女のことを初めて知り、昭和歌謡のカバー曲をたくさん聞いてたくさん感動しました
今回、オリジナル曲に触れることができ、あの時以上の幸せを感じています
是非皆さんも「浜田真理子」さんの世界を訪ねてみてください
彼女の歌には、安心とやすらぎが満ち溢(あふ)れているのです
彼女の声は、昔ながらの漁法でとれた宍道湖のシジミです(無理やりこじつけました)
それはみそ汁にそっと溶け込むように、皆さんの心に・そして振る舞いに、まろやかさが増していくのではないでょうか・・・
P.S. 偽りの光
先ほど、娘から電話がありました
「帰る日はまだはっきりしないけど、迎えに来れる?無理ならいいけど…」
少し考えてから私は答えます
「日にちによったら、行けないかもしれん」
ウソです
何があろうと、朝4時に起きて車をとばして行くであろうことは、火を見るよりも明らか・断る余地は一坪たりとも残っていません
その後嫁にはこう報告しておきます
「荷物がたくさんあるみたいだから、しゃーなし車で迎えに行ってくるわ!」
「○○○ちゃんがどうしてもって頼むので…」
偽りの光は こころを照らさない
『あなたへ』の2番の歌詞に書かれています
「浜田真理子」さんはいろんな事を私に思い出させてくれ、いろんなことを教わるのでした
そして、彼女の作品・ライブ映像、すべてのものに「偽りの光」は一切感じられません
私には、偽りの光が満ち溢れています
いつか本当の光で、家族みんなを照らしてみたい・・・
それが叶うまで「浜田真理子作品」を聞き続けていきたいと思います。
了
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