この一年も押しせまって、多くの方々の訃報を耳にします
「高見知佳」さん「笠 浩二」さんは同い年、「渡辺徹」さんが一個上です
突然のニュースを聞きながら、私はなぜか季節外れのこの歌を聴いていたのでした
『ほおずき』グレープ 1975年(昭和50年)
作詞:作曲 さだまさし
グレープは、1972年に結成された「さだまさし」さんと「吉田正美」さんによる日本のフォークデュオです
「さだ」さんがバイオリン、もう一人の方が地味にギターを弾いている印象でしたが、当時の映像を確認してみると新しい気付きもたくさんありました
メガネをかけていない「さだ」さんは当然顔も歌声も若く、声が裏返る場面がちょこちょこ登場し、なんとも初々しい限りです
始まりの歌詞を紹介します
いくつかの 水たまりを残して
梅雨が 駆け抜けてしまえば
改めて歌詞を読み返してみると、詩人としての「さだ」さんの凄さを実感しています
昭和の原風景がここにはたくさんちりばめられているのです
そして、この中に登場する彼女の悲しい運命をいろんな言葉を使って訴えられています
「下駄の鼻緒」「風鈴の唄」「消えない花火」「背のび」「とどかない」「肩越し」、そして「ため息」でまわした「かざぐるま」・・・
あの日、二人で行った「お祭り」、そこで買った「ほおずき」
でも今夜は、一人で出かけます
想い出のほかに ひろったものは
誰かが忘れた ほおずきをひとつ
結びの歌詞です
”~をひとつ”
「体言止め」というんでしょうか、このはかなさの極致のような余韻がいつまでも残ります
哀しみを表現するには、あまりにもきれいな旋律
また、得も言われぬ素敵な言葉運び
22歳の彼らは、この若さで見事な才能を開花させ、多くの想い出を残してくれたのでした
1976.4.5 長崎市民会館 グレープ解散ライブ収録
ライブでの『ほおずき』では、チューニングをずらした感じのロック風アレンジが披露されます
後に「さだまさし」さんが語るには「ロックをやりたかった」と言っていたこともうなずける内容でした
本当は、もっと話の部分も聞きたかったです
吉田正美
通常、バイオリンの音色で始まる『精霊流し』ですが、ギターでの高度なアレンジが心に響きます
更に『追伸』での素敵なコーラス
「吉田正美」さんの存在の大きさに驚き、今更ながらに感謝したいと思います
生演奏の雰囲気は素晴らしく、弦の響きに酔いしれながら多くの作品を聞かせていただきました
そっと「ほおずき」をかむ、見知らぬ女性に思いを馳せながら・・・
想い出のほかに
冒頭でご紹介した方々の「笑顔」や「思い出の曲」が『ほおずき』の歌と共に交差しながら流れ始めます
渡辺徹
NHK大河ドラマ 「秀吉」
主演「竹中直人」さんほか、脇役人も最高の布陣を引いていました
そんな中で埋(う)もれることなく、「前田利家」演ずる「渡辺徹」さんの勇姿が忘れられません
「信長」に仕えていた最初の頃は、正社員の「利家」に対し、中卒でしかもアルバイト扱いのような「秀吉」
そんな彼を馬鹿にすることもなく、笑顔で仲良く接し続けます
そんな役柄が「渡辺徹」さんにはぴったりだったという思いは、今でも変わりません
「榊原郁恵」さん親子の会見では、笑顔を見せるなど気丈なところを拝見させて頂きました
人は哀しみが深ければ深いほど、不思議と明るく振る舞えるのかもしれません
約束通りに あなたの嫌いな
涙は見せずに・・・ 『精霊流し』作詞:作曲 さだまさし
ふと、こんな歌詞が浮かびました
了
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