名曲『酒は大関こころいき』 小林亜星の心意気

作詞・作曲はCMソングの帝王、「小林亜星」さんです

無駄なものを一切省き、短いフレーズの中にすべての思いをねじ込みます

 

俳人「小林亜星」と「松尾芭蕉」

 

【酒のめばいとど寝られぬ夜の雪】

普段は人と人の社会から遠ざかって隠遁を信条として生きているといいながら、雪が降った朝や月の美しい晩は友が欲しい。今宵は雪が降り、友も来ないので独り雪を眺め、雪について書き物をし、酒を呑んで寝た。酔って寝られるかと思えば、却って人恋しさが募って眠られない。

江戸時代の俳人「松尾芭蕉」は「酒」をテーマに多くの作品を残されていました

この作品はあまり有名ではないみたいですが、このシンプルさが私は気に入っています

 

「小林亜星」さんがもし江戸の時代に生まれても、とても優秀な俳人としても行けた気がします

そして何より、小唄作りの名人だったに違いないと勝手に思っています

 

この作品だけでなく、限られた行数で歌詞と曲調を見事に凝縮させており、お見事というほかありません

 

酒は大関心意気 加藤登紀子/田宮二郎

作詞・作曲:小林亜星

 

白い花なら 百合の花

人は情けと 男だて

しんみりと、ぐい飲み片手に日本酒をいただいているときのように、このフレーズがはらわたに行きわたります

 

白い花は「加藤登紀子」さん、男だてなら「田宮二郎」の右に出る人はいないでしょう

お二人の歌い方には、それぞれの味わいがあり、甲乙つけられません

 

恋をするなら 命がけ

ここからの、徐々に音が上がっていく感じに酔いしれます

私は日本酒は飲めませんが、「のどごし<生>」でも十分この感動は味わえます

 

酒は大関 心意気

 

1合カップ容器入り清酒の先駈けとして知られる「大関酒造株式会社」(旧社名)

1964年に発売が開始されたその「ワンカップ大関

現在でも変わらぬ形で販売してづけ、昭和の名残を絶やしません

 

今ではあまり使われなくなったこの「心意気」

いつまでも大事にしていきたい言葉の一つです

 

いい歌にうまい酒

昭和の心意気を感じる貴重な作品だと思います

 

最後の5番は男性コーラスが入ります(加藤登紀子バージョン)

歌詞にこんな言葉ありました

花と咲くのも この世なら

踏まれて生きる 草だって

いいねぇ~

ダメダメな自分にも生きる勇気が湧いてきます

 

改めて、「小林亜星」さんに今一度、心より感謝申し上げます。

 

田宮二郎/財前五郎

代表作は「白い巨塔」でしょうか

じっくり見たのは「唐沢寿明」さん主演バージョンです

「財前」演じる田宮二郎さんは、ほんのかすかに記憶に残るばかりです

 

映画「白い巨塔」1966年

「U-NEXT」(ユーネクスト)で3月30日まで配信されていました

当然に見ない手はありません

 

こんな素晴らしい配信があるので、ネットフリックスは断念しても、なかなか「U-NEXT」を解約できません

 

田宮さんのとても柔らかく優しい歌声を聞いていたら、山崎豊子さん原作「白い巨塔」をもう一度読みたくなりました

内容はほとんど忘れましたが、文庫本の背表紙の、濃い青から白に代わるグラデーションがとても好きでした

 

都はるみ 『雨やどり』 好きになった人との雨宿り… 梅雨もまたいいものです   

 

 

 

 

 

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