箱崎晋一郎 妻も歌う『抱擁』 「熱海の夜」とともに埋もれたままの名曲にしないで

チャゲ&飛鳥さんが、「夜のヒットスタジオ」で歌っていた『熱海の夜』が気になり、調べてみました

デビュー曲『熱海の夜』(昭和44年)B面から、5年後、シングルリリースされていました

少しだけ聞き覚えがあり、聞くほどに魅力が増していく感じです

 

正規の伝道者である「箱崎幸子」様になり替わり、僭越(せんえつ)ではございますが、ご紹介させていただきます

 

抱擁(ほうよう)  昭和49年(1974年)

 

作詞:荒川利夫 補作詞:藤本美沙 作曲:山岡俊弘 編曲:京健輔

 

昭和の名曲100選に余裕で選ばれてしかる曲だと思いました

イントロのサックスがムード歌謡らしく流れ、ギターとバイオリンが絶妙のコーラスを奏でます(昭和49年・オリジナルA面より)(オーボエと昭和っぽさが好きな方はデビュー曲」『熱海の夜』B面をお勧めします

 

 

頬よせ あった あなたの においが  私の 一番 好きなにおいよ

 

こんなに嬉しくて、心温まる囁(ささや)きがあるでしょうか(おじさんは、「加齢臭」という発想さえ存在しなかった、この時代に戻りたいです)

この女神のような女性の想いを、「箱崎晋一郎」さんは、甘くて独特な高い声で聞かせてくださいます

 

 

目をとじて いつまでも 踊っていたい 恋に 酔う心

 

ここからの絶妙な変調は、いつまでも、どこまでも「酔う心」となり、私の気持ちを高ぶらせてやみません

 

 

泣きたく なるほど あなたが好きよ

 

「泣きたくなるほど」とまでは言いませんが、「頬をよせたくなるほど」この歌が好きになりました

 

 

あなたしか 愛せない 女にいつか なって しまったの

 

歌唱法が独特である『抱擁』は、彼の歌唱しか愛せない男になってしまいました(ちょっと気持ち悪いです)

 

生歌をユーチューブ動画(昭和58年当時)聞かせていただきました(オリジナルに劣らぬ歌唱力を披露しています)

 

唯一無二の高音ファルセットを駆使して、全身全霊を込めて歌われています

この女性の一途な愛を、見事に歌いあげているのです

 

 

夜よ お願いよ さようなら 言わせる 朝など 呼ばずに じっとしていて

 

彼女(作詞家・荒川利夫)は、「いついつまでも一緒に居たい想い」を、このように表現されています(「夜にじっとしといてね」と呼びかける彼女、可愛すぎます)

 

「日本いじらし女性部門全国大会」に出場されれば、入賞間違いないと思われます

そして、名誉ある優勝者は、ぜひ奥様「箱崎幸子」さんにお願い致します。(P.S.に追記記事あります)

 

箱崎晋一郎

 

これほどの名曲を世に送り出しているのに、大ヒットには至っていません

名曲=ヒット曲とはいかないのが世の常、歌謡界の厳しいところなのでしょうか

この曲を発売後は、また長く苦境が続きます

 

そして、新たなヒット曲『東京運河』の兆しが見え始めた矢先、43歳の若さでお亡くなりになりました

歌い手としても、まだまだこれからのお年でした

(「大川栄策・さざんかの宿」「瀬川瑛子・命くれない」「冠二郎・旅の終わりはお前に」など、熟年(壮年)ヒットを果たした方がたくさんおられます)

 

「箱崎晋一郎」さんの、経験を積まれたジェントルなお声が聴けないことが、残念で仕方ありません。

 

P.S.

 

箱崎幸子

 

ご主人が亡くなられたのち、働きながらボイストレーニングに励みます

『抱擁』を歌い継げる人は、彼女しかいないかもしれません(それはとても辛いことでもあるのです)

そして、彼女の願いは一つです(勝手な想像で、言い切ってしまい申し訳ありません)

「箱崎晋一郎を想い続けていたい」

 

彼女にとって何より、悲しく・辛く・耐えがたい思い、それは

「箱崎晋一郎」という名前が、そして彼の作品が忘れ去らてしまうことではないでしょうか

 

「箱崎幸子」さんの心を込めたステージの映像を拝見するに至り、このように思わずには入られませんでした

今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます

人は過去を忘れていきます

 

懐古趣味と家族に呆れられている私ですが、これからも時々、昭和を訪れていきたいと思います。(実際には、毎日毎晩、飽きもせず、必ずユーチューブ宅を訪れているのですが…)

 

 

昭和の名曲 ここに幸あり 大津美子 

 

 

 

 

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