47年前の8月25日にこの曲でデビューされた「藍美代子」さん(「純エリ子」で一度デビューしていますが)
昭和の名曲マニアの私のことをユーチューブさんもよくご存じで、以前より『ミカンが実る頃』はおススメ曲として何度かご紹介していただいていました
その後の動画も見たくなり検索していると、2020年初めにオフィシャルチャンネルを公開されていました
公式ブログもあり、同じ昭和人としてなんだか嬉しくなり、陰ながらではありますが、応援したくなりました
ミカンが実る頃 昭和48年(1973年)
作詞:山上路夫 作曲:平尾昌晃
青いミカンが実った ふるさとの丘に
文部省唱歌を思わせるような、郷愁たっぷりな歌い出しです
まさに「ほのぼのとした」という表現がピッタリです
「ほのぼの歌謡の女神様」と呼ばしてください!
今年もとりいれの 唄が また きこえる
そしてイッキに突き抜ける伸びやかな高音に、身も心も虜(とりこ)となります
声量・歌唱力・声の高さでの異次元の安定感を発揮されています
こんな素晴らしいパフォーマンスを聴かされると、果てしない青空のもと、必ずやミカン狩りに行きたくなるでしょう(秋の運動会で、いつも母が持ってきてくれたあの緑の小さなミカンが懐かしです)
甘く すっぱい 胸の想いを
ひそかに こめながら 小篭(こかご)につむの
若き日の「甘酸っぱい思い出」はミカンの酸味と共にいつまでも忘れることはできません
(ただ私の場合は、甘みはほとんどなく、安物の夏ミカンのごとく酸っぱさのみが際立っていた気がします)
遠くの街の あなたにも 送ってあげましょう
全体を通して、演奏はシンプルです
あくまでも彼女の声を中心に据(す)えた編成は、「藍美代子」さんという一人のアーティストの偉大なる芸術性が遺憾なく発揮されるよう、すべてをその一点に集中されたのでしょう
1988年7月22日放送 思い出のアイドルスター大集合IN大磯
いつもながらに、ユーチューブ動画の存在の偉大さに驚くとともに感謝いたしております
15年後の「藍美代子」様のご登場です
デビュー当時の初々しさとはまた違った魅力に圧倒されます
裏声(ファルセット)を使わない高い音の伸びは、進化し続けていました
本物の実力者にだけ許される「匠(たくみ)」という言葉が、自然と出てくるのです
まるで、全盛期の「越冬つばめ/森昌子」さん・「マドンナたちのララバイ/岩崎宏美」さんを彷彿とさせられます
妖艶(ようえん)な美しさと素朴な歌詞の美しさ、そして歌唱技術の美しさの三拍子そろい踏みです
そういえば、名前にも「美」がはいっていました
藍より青く、名前よりもより美しく!(キャッチフレーズにいかがでしょうか?)
「美の四重奏」をぜひ、心ゆくまで堪能(たんのう)してみてください。
P.S.
私が「藍美代子」さんに魅了されたように、藍染めに魅せられ、その生涯をかけている方がおられました
ちいさな藍美術館(京都)
茅葺(かやぶき)の屋根・藍の葉を発酵させてつくる「すくも」・仕込みに使う「甕(かめ)」
そんな古き時代を彷彿とさせてくれる数々のパワーワード
「かやぶき・すくも・かめ」
田舎育ちの私には、この言葉の響きを久ぶりに聞けただけで、この上ない喜びを感じてしまいます
ちいさな藍美術館では、藍染作家のご主人を中心に染め・織り・縫いを親子三人で分担し、広く活躍されているようです
「本物の藍の色」を追求し、実直な物づくり、正直に、丁寧に・・・
「本物の作品」・「本物の歌」には、作り手・歌い手の純真な魂が宿っているのです
そこには、自ら大仰(おおぎょう)に主張することなど一切せず、あくまでも謙虚に生きておられます
何かにつけて自己主張の激しい私には、藍染ならぬ体の奥底まで染め抜いてもらえれば、少しでも・・・
謙虚に生きるなど、ムリなことと分かっているのですが、昭和の名曲(『ミカンが実る頃』の天使の歌声)を聴いている自分に、人間性の成長を感じてくるのは気のせいでしょうか?
了
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