岩崎良美 生きる勇気をもらえる青春ハイパフォーマンス 『タッチ』

「チェッカーズ」のデビュー曲『ギザギザハートの子守歌』(作曲:芹澤廣明)が好きでした

「康珍化」さんの歌詞は ”ナイフみたいにとがっていても傷つけることなく” 逆に日本人の心を癒してくれます

 

アニメソングという範疇に置かれてしまったこの作品、詩は言うに及ばず曲調そしてこの歌を歌われる「岩崎良美」さんの姿に、不覚にも涙がこぼれました

年代的に、歌謡曲に興味が薄れつつある時期だったのに、いま改めて聞いたとき、こんなにも感動を覚えるなんて・・・

アニメ『タッチ』でさえよく知らないのに・・・

『タッチ』 1985年

作詞:康珍化 作曲・編曲:芹澤廣明

 

呼吸を止めて 1秒あなた 真剣な目をしたから

この歌い始めてからわずか4秒

ためてた思いを一気に吐き出すように曲は流れます

 

そこから何も 聞けなくなるの 星屑ロンリネス

同じリズムを刻み、早くも核心に迫ります

言葉の魔術師「康珍化」さんの面目躍如たる始まりです

このスタートダッシュ、小気味よさと歌詞の重厚感を併せ持つ稀有な作品です

 

”星屑(ほしくず)ロンリネス”

この言葉にすべてを託している気がします

彼女に立ち位置、昔からの知り合いゆえの距離感とその悩み、そしてどうしようもない孤独感

 

落ちた涙も 見ないふり  ダメね 横顔で 泣いてみた(こちらは2番の歌詞です)

「岩崎良美」さんの内気だけれど、今でもひたむきに頑張っている姿がオーラップして、もうダメです

 

ためいきの花だけ

手をのばして 受けとってよ

ためいきの花だけ 束ねたブーケ

 

サビの最後に思いのたけを放ちます

引っ込み思案な自分を鼓舞し、勇気を出したのです

 

「ためいきの数だけ」ではなく「ためいきの花だけ」です

 

童謡扱い? アニメソング?

オリジナル盤発売時は、レコード収録曲が童謡と判断されれば物品税非課税であったため、発売元のキャニオン・レコード(現:ポニーキャニオン)は本レコードを童謡扱いとしていた

その後訂正されて様ですが、とても失礼な話だと思います

どこからどう見ても、日本を代表する芸術作品です

そして、それを歌唱し今も進化し続けている、われらが天才「岩崎良美」さんだったのです

 

当時「松田聖子」さんに執着し「河合奈保子」さんに目を奪われていた自分が少し恥ずかしく、反省します

1980年代に立ち戻り、「岩崎良美」さんの『赤と黒』『愛がひとりぼっち』をじっくり生で聞いておけばよかったと・・・

 

岩崎良美さんに勇気をもらう

彼女は1961年生まれだそうです

デビュー時から、てっきり年下の少女だと思っていたら…

 

そして衝撃の2016年5月放映のYouTube映像は異次元のパフォーマンスを披露されています

こんなことがあっていいのでしょうか?

あなたはいつ時空を超えてきましたか?

 

声の艶、表現力、そして50歳を超えてからのどこまでも伸び行く歌唱力です

おとなしめの振り付けを携え、少し恥ずかしそうに歌い切ります

 

なぜか、幼少の頃の情報(ウィキペディア)がふと浮かんできました

幼少期から自宅で犬、猫、鳩、キジ、鶏などを飼っていた

アイドル時代の趣味はお菓子作りで、手作りの菓子を現場のスタッフや共演者に差し入れることがいちばんの楽しみであった

ペットのついては、「桃太郎」じゃないんだからと一人で突っ込みながらも、なんとも微笑ましいエピソードです

 

そして最後に私を震わせたのがこの一文

2021年4月、桜美林大学大学院修士課程に入学、経営学を学ぶ

同じ世代だからこそ正直な感想として、なかなかできることではありません

そして、もともと無気力で自堕落な自分のなかに、かすかな火がともった様な気がしたのです

 

あなたは最早、「マドンナ」をはるかに超えて私の中では『神』へと昇華されました

大学院への挑戦は出来そうにもありませんが、私も変わります

 

まずは ”呼吸を止めて1秒” よく考えて「タッチ/全26巻」(中古)をポチッと注文し、もう一度青春を取り戻そう!(火が付いたと思ったのは錯覚だったかも)

 

最後にありきたりな言葉ですが、あなたの生き方そのものに勇気と感動を授かり、とても感謝いたします。

 

P.S.

サブスクリプション

カバーアルバム『色彩の主人公』(2011年11月2日発売)も素晴らしい内容で超おすすめです(『タッチ』もニューバージョンで収録されています)

こちらも続けてポチッとしかけましたが、念のためと探してみると「YouTube Music」にありました(有料会員向け)

ダウンロードしておけば、いつでもオフラインで聞けます

「サブスクを考えた人は地〇に落ちろ」みたいなことを発したアーティストの気持もわからないではありません

 

『色彩の主人公』一つとってもこれだけの作品です

プロのミュージシャン、一人一人の努力の結晶なのです

こんなに簡単に聞けて大丈夫なんでしょうか

 

私は古い人間なので、価値のあるものにはそれなりの対価を払う的な考えをしてしまいます

安いことが最高のサービスという流れに、一抹の不安や恐怖を感じる今日この頃なのです

 

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