ただ泣きたくなるの 1994年(平成6年)
作詞: 国分友里恵・中山美穂、作曲・編曲: 岩本正樹
詞は独身女性が結婚する友達へ捧げた内容であり・・・
作詞「 国分友里恵」& 作曲・編曲「岩本正樹」
ご夫婦により手がけた作品のようです
このお二人、ウィキペディアで調べてみても何ら詳細は分かりません
あえて伏せているのかどうかは不明ですが、能ある鷹もビビるほどの隠しよう?なのです
ていうか、底知れぬ謙虚さを感じます
『ただ泣きたくなるの』の売り上げ100万枚
このメガヒットにもかかわらず、後にも先にも「中山美穂」作品から二人の名前は登場しません
芸を極めることのみを良しとする「サムライ」のような潔さなのです
「70年代の神・百恵ちゃん」や「80年代のマドンナ・聖子ちゃん」を追ってきた私にとっては、90年代の作品は完全にテリトリー外なのでが、この作品の秀逸さはなんとなく伝わってきました
アレンジを専門とされているだけ、イントロからして誰もが引き付けられます
オシャレで、トレンディーかつドラマチックな前触れを感じさせてくれるのです
あなたの部屋の前 座りこんだら
なんて静かなの 恋の入り口みたい
歌い出しと共に、歌謡曲の範疇に収まり切れない独特の世界観が漂います
ジャズでもボサノバでも、ましてやシャンソンなんかとも違います
(ちなみに、上記ジャンルの違いも全く分かりませんが…)
このゆらゆらとした心地よさは、甘いお声との相乗効果により、年老いたオヤジにはこの上ない喜びとなります
こんなにも素敵なささやきも、不思議な世界のお話のごとくほとんど入ってきません
ただただ曲の流れにうっとりとするばかりです
どんな ふうに 扉は開くのだろう
どんな ふうに 夜は終わってゆくのだろう
このいとおしくなるほどの曲調の転換に、おののきを禁じえません
サビ前のこの部分だけでもう、有り余るほどの満足感をいただきました
「岩本正樹」さん、あなたは一体何者なのですか?
フジテレビドラマの音楽をいくつも担当されておられますが、作曲活動もまた是非ともよろしくお願いいたします
そして、私にとってとても難しいこの詩です
「 国分友里恵」さん
あなたは詩人です
「ユーミン」「阿木燿子」「来生えつこ」…多くの天才作詞家ともに、称賛されるべき詩人として尊敬いたします
しかしながら、あなたの世界観を理解するにはあまりにも未熟です
ウィキペディアに説明がありましたが、結婚式に歌うには、なぜか違和感をぬぐい切れません
ただ泣きたくなるの
詩を理解するには経験値はやはり大切です
自分の人生経験の浅さにも泣きたくなります
好きだから 好きだけど
作者の意図はよくわかりませんが、この歌詞が好きです
この歌は好きだけど、「中山美穂」さんをほとんど知りません
ご本人主演の何かのドラマの主題歌らしいので、一度観てみたくなりました
(ダウンタウンの浜ちゃんが出ていることを先ほど知りました)
(ドラマ『明日があるさ』は名作でした)
そして何度か聞いているうちに、うすらぼんやり見えてきたものがあります
70年80年代にはあまり訪れない世界のような気がします
少しうがった見方かもしれませんが、ジェンダーレス/LGBTをも意識した、時代を先取りした内容だったのかもしれません
いずれにしても、この先鋭的な歌詞、サビ前までにすでに誰もを魅了してしてやまないあの旋律
昭和の「宇崎竜童・阿木燿子」夫妻に比肩されるべきアーティストに違いありません
昭和の名曲も好きだけど…
平成にも、私が知らないまだたくさんの名曲が埋もれているでしょう
平成・令和と時代にこだわらず、これからも名曲を愛し続けたいと思います
この歌がずっとずっとずっと…好きだから…
P.S. 女優「中山美穂」
今日、たまたまネットフリックスを見ていたら、「中山美穂」さんが大学生の母親役を演じておられました
化粧っ気を落とし、地味ないでたちで役作りに徹しておられました
演技力も抜群で、今でも第一線で活躍されていることに、なぜか元気をいただいた気がします
そして、わが年を重ねるごとに月日の流れるこの速さ、ただ「ただ泣きたくなる」私なのでした
了
コメント