「岡雅義と東京ロマンチカ」「和田弘とマヒナスターズ」「森雄二とサザンクロス」「三浦弘とハニーシックス」「黒沢明とロス・プリモス」「秋庭豊とアローナイツ」・・・
ムード歌謡と言えば何故かこのパターンのネーミングです
「○○と○○」の流れから言えば、「ピンキーとキラーズ」や「ヒロシ&キーボー」など懐かしい名前も出したいところでが、前者はジャンル違いですし後者も時代が違います
ただ、今陽子さんが「ピンキーとキラーズ」を脱退した理由が「おっさんたち、足手まとい!」とキラーズに暴言を吐いた…うんぬんの記事がありました
しっかりおっさんとなった私は、何とも悲しい気持ちになるのです(「敏いとうとハッピー&ブルー」の『足手まとい』は名曲ですが…)
「敏いとうとハッピー&ブルー」以外は、後年になって知ることとなるグループの方々でが、そんな中でも、ひときわテレビ隆盛期に活躍された「内山田洋とクールファイブ』
当時のムード歌謡とは少し異なる、ほんのり香る「お笑い臭」と「ロックテイスト」に惹かれます
この愛に生きて 1972年(昭和47年)
「フランク・シナトラ」のボディガード役を務めるなどのエピソードを持つ「敏いとう」さんに対し、隠れマッチョな「内山田洋」さん
どちらもコーラスに参加されているのかどうか微妙ですが、存在感はさすがです
とにかく、イントロから素晴らしいコーラスが全開です
このコーラスあっての「前川清」さんの歌声なのだということを改めて感じます
作詞は何度も登場している「阿久悠」先生です
失礼な言い方ですが、昭和の名曲のはざまに石を投げると、どこかしらこのお名前に行きあたります
このブログでも、多くの作品を紹介させていただきました
なので、今回は「彩木雅夫」さん
『なみだの操』は名曲で、ちびまる子ちゃんと同世代の私も、懐かしい作品です(父親とお風呂で歌うほどの社交性はありませんでした)
『長崎の今日は晴れだった』(歌:後川清&ホットファイブ、作詞:ヒロアキ)(前川清のそっくりさんと、元クール・ファイブの小林正樹、宮本悦朗によるユニットのシングル)
ウイット感も持ち合わせた、とても心の広い大きな方です
作詞:阿久悠 作曲:彩木雅夫 編曲:馬飼野俊一
あのひとを 愛しては いけないと云われ
旅に出て 忘れようと 悩んでもみたが
何といってもダイナミックな曲調が印象的で、ドラマチックに構成されています
次から次へと音符がなだれ込んでくるようなこのリズム感、高揚感に酔いしれます
思いきれぬ 恋よ
サビ前のこのぐっと抑えたフレーズに、これからの素晴らしい物語への期待を確信します
雨の 街で人目しのんで
愛を 告げたあとのしあわせ
ボーカル「前川清」さんの出せる高音ぎりぎりを攻めてくる楽譜です
切ない思いを絞り出すように、どこまでも声は伸びていくのでした
ここから、編曲(馬飼野俊一)の妙味を深くするのです
コーラスとヴァイオリンがうまくシンクロします
最後のハープのアレンジは、気持ちの盛り上がりを優しく包んでくれるのです
許されぬ 愛だから なおさらつのり
許されぬ 愛だから ひとときに賭ける
再びAメロに入ります
最後の溢れ出る思いをぐっと抑えます
こみあげる 涙
力強いビブラートは永遠に続きます
どこまでもどこまでも…
たとえ持っているマイクは、遠く離れて行っても・・・
歌とは関係ありませんが、レコードジャケットもとてもかっこいいです(宮本さんも髪があります)
また、別動画では「前川清」さん単独の歌唱バージョンがアップされており、素晴らしい動画演出となっていました
韓国か台湾の女優さんの演技のうまさに、思わず見入ってしまいます(とても綺麗な方だったので余計に…)
うしろ指さされても あのひとのために
この身まで 捨てる
世間に何と思われようと… ひたむきに… 一途に…
燃えるような愛に… わが人生をかけて…
『この愛に生きて』
触れまいと思えども、「阿久悠」さんの題名の素晴らしさなのでした
ゴールデン☆ベスト 内山田洋とクール・ファイブ [ 内山田洋とクールファイブ ] |
P.S.
以前にも少し書いたかもしれませんが、私が初めて買ったレコードは『タイガーマスク』
B面『み〇○ごのバラード』はアニメソングの中でも忘れられない名曲です
ステレオなどなく、当然卓上プレイヤーで何度も聴いていました
歌っていたのは「敏いとうとハッピー&ブルー」の森本英世さん(この曲では新田洋名義)でした
そして、その時父親が買ったのが『なみだの操(みさお)』でした
あなたのために 守りとおした 女の操
いまさら他人(ひと)に 捧げられないわ
意味も分からず、大声で歌う当時の子供たち
そんな姿を観ながらも、昭和の親たちは苦笑いしながらも、温かく見守っていてくれたのでしょう(皆が懐の広い、いい時代でした)
もともとコミックバンドだった「殿様キングス」
(元リーダー「長田あつし」さんが結成した「オヨネーズ」の『麦畑』は今でも持ち歌です)
個性的なボーカル「宮路おさむ」さん
あの笑顔、あの目じり、あの一つ一つの小じわの懐かしくいとおしいのです
次作品『夫婦鏡』が特に好きでした
夫婦(めおと)鏡の裏側に 二人の名を書いて
ひそかに みつめてた
どちらも作詞は「千家和也」さん
古いと言われようが、女性軽視と非難されようが、あの頃には「尊いもの」「大切な何か」があったような気がしてなりません
誰もが、「この愛に生きて」いたのでした。
了
敏いとうとパッピー&ブルー 『よせばいのに』 メンバーの入れ代わりはあるが、やはり森本さま
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