1980年代に活躍されたロックバンド「ジューシィ・フルーツ」
ボーカルは「奥野敦子」さん
「イリアという愛称で広く知られている」とウィキペディアでは紹介されていました
『ジェシーはご機嫌斜め』でデビューされ、一躍注目を浴びます
世間的には広く知られたこのバンドの方々ですが、世間にうとく、なおかつ端っこで暮らしていた私には当然、知れ渡ってきていません
だから、題名を間違えるなど失礼この上ない失態をやらかします
『ジェニーはご機嫌斜め』
名曲にして最大のヒット曲ですが、今回ご紹介するのはこちらのほうです
なみだ涙のカフェテラス / 恋はベンチシート 両A面シングル
(1980.10.01)(作詞:近田春夫 作曲:柴矢俊彦)
なみだ涙のカフェテラス 1980年(昭和55年)
ネクラとは
「ネクラ」という言葉が使われ始めたのも、この時代1980年代前後ではないでしょうか
今ではほとんど使われなくなったこの言葉、かなりマイナスイメージが強いのではないでしょうか
対外的には明るい性格だけれど、「根」の部分に思慮深い「暗さ」を含んでいる…
当初はこのように肯定的にとらえられた時期もあったようです
自分のことを明るい性格だと、今まで信じて疑わなかった主人公のこの女性
今でいう「陰キャ」ではなく、そんな当初の意味合いの素敵な「ネクラ」な部分が垣間見れるのでした
たぶん わたし
明るいタイプだと 思ってたのよ
昭和でいうところのとてもポップな音楽性を発揮されております
湿気をまったく感じさせない、からりと晴れた「失恋ソング」なのです
ボーカルの「イリア」さんがメインギターを弾かれ、またベースラインも楽しく聞かせていただいています
専門的には、かなり高度な演奏がされているのでしょうが、素人の私には聞きとるほどの音楽知識がないのが残念です
作曲者の「柴矢俊彦」さんを調べていると『おさかな天国』に行きつきました
フルで聴いてみると、なんとも素敵な曲とアレンジです(この曲については後程触れます)
作詞の「近田春夫」さんのこの2番の歌詞が好きです
そして、ここからの神のような転調というか構成が次々と繰り出されます
このカフェテラス 思い出だらけ
つぶれちゃえばいいのに アァ アァ
”つぶれちゃえ~~”
ここの歌い方は聞き逃せません
少し自己中心的なセリフも、彼女が歌へば、すべて許される気がします
「乱暴だけど憎めない可愛さ」みたいな雰囲気が「ジューシィ・フルーツ」の多くの作品に感じられるのです
なみだ 涙 ナミダ・・・・・・
正式な歌詞表示は上記のようになっています
しかし、歌のイメージはこんな感じです
“なみだ 涙”
“なみだ 涙 ナミダ”
“なみだ涙”
“ナミダ”
軽妙なテンポの心地よさは『おさかな天国』と共通しており、脳内リフレインは止まることをいつまでも拒み続けるのでした
おさかな天国 1996年版
唄:柴矢裕美、作詞:井上輝彦、作曲:柴矢俊彦、編曲:石上智明
スーパーで聞くとはなしに耳にしていた曲です
好きだとイワシて サヨリちゃん
タイしたもんだよ ススキくん
驚いたことにドラムの響き等、何よりもロックなのです
この曲をソニーのワイヤレスイヤホンで聴いている人はそう多くはない気がします
私は目を閉じて「柴矢裕美」さんの素直で素敵なお声に聞きほれています
(特に1番の終わりでの「オゥ!」は魅了されること請け負います)
イカした君たち みならって
ぼくもカレイに 変身するよ
昭和の親父にはこのダジャレがたまりません
2番の歌詞までじっくりかみしめていると、作詞家「井上輝彦」さんの技量の高さが伝わってきます
全体的に、ひらがな表記がまた素晴らしい
サカナ サカナ サカナ
サカナを食べると
アタマ アタマ アタマ
アタするとしよう
今夜は青魚を食べて、年老いたアタマをリフレッシュするとしよう
恋はベンチシート
作詞:近田春夫 作曲:沖田優司
(せめて ベンチシートの)車に買いかえてよ
セリフと曲をミックスした画期的な作品でしょう
詩の内容も、かなりきわどいところまで攻めています
昭和のゆるーい規制が、独特の文化や個性的なアーティストを生み出した要因なのかもしれません
その後「ジューシィ・フルーツ」さんは、「桑田佳祐」作詞作曲の『そんなヒロシに騙されて』を共作でリリースされています
「高田みづえ」さん「原由子」さんともにファンの私ですが、『ジューシィ・フルーツバージョン』は悔しいぐらいにGS(グループサウンド)なのでした
作品を通して
・たぐいまれなる演奏技術(私はわかりませんが、コメント欄で皆様がおっしゃられています)
・曲の構成・流れがいい意味で予想できない
・歌詞がいろんな意味でとんがっています
「ジューシィ・フルーツ」の作品を聴いてみると、『ご機嫌斜め』な奥様もご主人も、きっと素敵な笑顔が訪れることでしょう
了
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