作詞:すずきゆみ子(紫苑) 作曲:菅美奈子(明日香) 編曲:青木望
『花ぬすびと』 若き二人の傑作でした 昭和57年
ヤマハポピュラーコンテストで、優秀曲に選ばれてのデビュー曲です(30万枚のヒット)(世界歌謡祭グランプリ)
当時ヒットしたことも、お顔も存じ上げません(素敵な方でした)
しかし、切ない旋律と題名に、かすかな記憶があったのです
作詞:すずきゆみ子(紫苑)
あなたは私の ひざの上 白河夜船の波枕
内容はかなり難しく、私の手には負えそうにありません(私なりに頑張って勉強させてもらいます)
【白河夜船】(しらかわよふね)
1 熟睡して、何も知らないこと
2 知ったかぶり
《京都をみてきたふりをする者が、京の白河のことを聞かれて、川の名だと思い、夜、船で通ったから知らないと答えたという話による》 ≪goo辞書より≫
明日香さんの中学の同級生「すずきゆみ子」さんの作詞です
中学時代に作られたのかどうかは定かでないが、十代の時の作品には間違いないでしょう
この少女は、何でも知っています(これは、まだ序の口です)
二度咲き 夢咲き 狂い咲き 人の心も また同じこと
一部分のみの表記なので、分かりづらいでしょうが、直近の歌詞との対比になっています
人の心に 咲く花は 育ちやすく 枯れやすく・・・
人の心の機微(きび)、儚(はかな)さを見事に表現されたこの作品
言葉の引き出しの多さと、作者の年齢とが、どうしても一致いないのです
この少女は、「中島みゆき」を超えていくような、可能性しか感じなくなってきました
野分きが渡る 秋の日に 夏の花を追いかける
また出ました!「野分き」(のわき)
当然聞いたこともありません(野焼きなら、聞いたことぐらいは…)
秋から冬にかけて吹く暴風・台風(野分と表示する場合も) ≪goo辞書より≫
2番の歌詞、”秋の日に夏の花を追いかける” は1番の ”春の日に秋の花が欲しくなる”と対になっています
この少女は、もう少女ではありませんでした
ノーベル文学賞を目指しています(たぶん、違います)(同じ日本人としての願望です)(どうかお願い致します)
作曲:菅美奈子(明日香)
あくまでも、淡々とピアノベースで曲は流れていきます
「詩がないと曲が作れない」と彼女は言っていました
悲しい詩の世界を忠実に曲に置き換えます
サビの部分では、抑えきれない気持ちを吐き出したのち、また徐々に静まり返っていくのでした
リフレイン(繰り返し)
最後に、万感の想いを込めて、繰り返されます
天才アーティスト 明日香
ライブ映像にて
天才と簡単に表現してしまいましたが、デビュー前にして、この曲をほぼ完成させています
何度も何度も練習されたことは、想像に難(かた)くありません
安定した音程はぶれることなく、オリジナル録音との違いは、アレンジだけのように思えます
特に、「狂い咲き」のところの高音ファルセットは芸術的で、何度聴いてもうっとりするのです
ピアノの腕前も、相当のものと、素人ながら推察いたします(データがないのでわかりませんが、小さい頃からの練習は、ハンパないはずです)(ピアニストを目指していたかもしれません)(いや、世界的ピアニストの領域でしょう)(すべて、あくまで個人の感想です)
ごめんね ごめんね ごめんなさい
先ほども、少しふれましたが、最後にこう繰り返すのです
切なくも、4回ささやき続けます
「お願いだから、もうやめてください 」
「あなたが謝る必要なんて・・・」
心の中で叫ばずにはいられませんでした
遅すぎた出会い
この作品を知るのが遅すぎたかもしれません
彼女は、もうこの世にはいないのです
しかし、この「花ぬすびと」は永遠に残り続けます
少しでもでも多くの方に知ってほしいと、願わずにはいられません
この作品と「アーティスト・明日香」さんの心震わせる軌跡(きせき)の数々を・・・
伝説
始まりの歌詞です
花ぬすびとの伝説が 別れ話のはじまりでした
私が話す伝説を 貴方は笑って聞き流す
理解力の低い私には、結局この「伝説」が何なのか、最後まで分かりませんでした
ただはっきりといえることがあります
「花ぬすびと」こそが伝説となるべき、偉大な作品だということです
笑って聞き流すなんて、絶対にできないのです
伝説の意味を、誰か知っている人は教えてください
気になって眠れません(正確には、いつもよりちょっとだけですが…)
P.S.
明日香さんの名前の由来がわかりません
明日香村
彼女は愛知県犬山市出身なので、明日香村とは縁がなさそうです
流れ的に少し調べてみました
奈良県・高市郡・明日香村
高松塚古墳もここにありました(そうなんだ)
飛鳥時代の象徴、中央集権律令国家の誕生の地でした(ほぼ何も知りません)
阪合村・高市村・飛鳥村の3村が合併して、明日香村となったみたいです
飛鳥と明日香の二つの表記のなぞが、やっと解けました
実は、明日香は当て字でオシャレでもあり「こっちにしてみよう」的な軽いノリでつけられたのではと、なんとなく思っていたのです
飛鳥時代といえば、推古天皇(歴代最初の女帝)とその甥・厩戸(うまやどの)皇子(のちの聖徳太子)
古代の覇者(はしゃ)です
昭和の一時代を築いた覇者たちを、覇者にならずとも、時代の1ページに残されるべき人々を、忘れてはならない方を、これからも紹介できればと考えています。
了
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コメント
花ぬすびと、最近ラジオでリクエストして、ふとネットで調べてみて、こちらのブログ参りました。とっくに伝説の謎はご存じかも知りませんが、明日香さんがすでに亡くなっていたとこちらのブログで知り、ご供養のつもりで書かせていただきますね。
もう何十年も昔、やはりラジオでこの曲をリクエストしたときDJのアナ(NHKの酒井某アナ)が、解説してくださいました。平安時代、和泉式部が、平井保昌(やすまさ)に御所の紫宸殿の梅の花を盗って来てほしいと頼んで警護の厳しい中、見事やり遂げる、というお話。祇園祭の保昌山にもなってます。
埋もれた名曲、紹介されてるのですね。花ぬすびと、取り上げてくださりありがとう。
”白樺めばえる春の日に” 情景を思い浮かべながら又聞きなおしてみました。
”秋の花が欲しくなる” なぜかこの歌詞がリフレインされ続けています…
伝説の解説、ありがとうございます。
つたないこのブログに、丁寧なコメントを頂き感謝の念に堪えません。