みゆきワールド VS 五輪ビブラート
対戦(バーサス)ではなく、見事なバラードの共演かもしれません
りばいばる 昭和54年
まずは失恋ソングの女王、中島みゆき お姉さまから。
お決まりの作詞:作曲でございます。
彼女に限りませんが、作詞作曲されて自らお歌いになられる。
「お決まり」と簡単に言いましたが、それ自体大変なことであり、選ばれし者の偉業でもあります。
尊敬の念しかございません。
そんな傑作ぞろいの中島みゆき作品の中からの「りばいばる」です。
暗い 哀しい 切ないと三拍子そろい踏みは大前提と言えるではないでしょうか。
中島みゆきさんに対する偏見かもしれませんが・・・
しかしながらこの作品の歌詞をたどってみると、悲しさ辛さを表現する言葉はほとんど使われていません。
酒に氷を入れて 飲むのが好き それが誰の真似かも とうに忘れたころ
ここがすごい。
ただ、「ひたすら愛してるとささやく歌」がもう一度、流行(はや)っていまうのです。
いわゆる、リバイバルソングの流行。
この一番辛い時期、このタイミングで、この歌がまた流れてくるかぁ~って感じです
なんという皮肉、なんというめぐり合わせでしょうか。
当事者にとってどう考えても嫌がらせとしか考えられません。
私なら、わが身を恨み世を妬(ねた)み、スマホ片手に引きこもるでしょう。
それを普通の言葉で普通に語りかけるのです。淡々と・・・
ゆっくりとシンプルな曲調で・・・
忘れられない歌が もう一度はやる (1番)
やっと忘れた歌が もう一度はやる (2番)
深いです。 女王と言われる所以(ゆえん)なのかもしれません。
|
リバイバル 昭和56年
そしてもう一人 五輪真弓 お姉さまの「リバイバル」
こちらは情景たっぷりに「雨の音」からの始まりです(オリジナルより)
こちらも同じシンガーソングライターとしてゆずれません。
やはり失恋と言えば雨でしょう。
降りしきるしかありません。
あれほど赤く燃えさかった心が、今は灰色のリバイバル
あれほど優しかった面影が、今は蒼(あお)ざめたリバイバル
理解力・読解力の乏しい私にとってはかなり高難度ですが、なんかすごい歌詞・すごい表現だと、単純に感動いたします。
心に染み入るビブラート
数ある傑作(正直、みゆきさんほどは…?)の中からの「リバイバル」
何度聴いたことでしょう。
この雨の音と素敵なそして唯一無二のビブラートを・・・
どうしても聴いてほしいのです。
この安定した心地よさ、目を閉じて聴けばもう雲の上。
気持ち良くたゆたうこと間違いなしです。
思えば歌詞もさることながら、このビブラートを永遠に聴いていたかったのかもしれません。
|
P.S.
揺蕩う・【たゆたう】とは
調べてみました
1.ゆらゆらと漂っている。止まらずにずっと揺れ動いている。
2.心があれこれと迷う。気持ちを決めかねる。
なるほど、納得の説明です。
ということは、上記の引用の仕方は本来の意味合いとは微妙に合ってないような・・・
まぁ細かいことはさておき、この語感この響き・・・
日本語っていいですね。この国に生まれて本当に良かったと思います。
ただ残念なことに、この私は生れてこのかたずっと「たゆたい」続けているようです。
了
コメント